パークに行くと、「12mキッカー」「7mの2連」みたいな表記を見かけます。
あれ、何の数字だと思っていましたか。
僕は最初、飛べる高さのことかと思っていました。あるいは、飛距離の上限みたいなもの。12mキッカーなら12mまでしか飛んじゃいけないのかな、と。
この理解、けっこう危ない勘違いでした。
先日、ある動画でキッカーのサイズについて説明されているのを聞いて、意味が真逆に近いことを知りました。今回はその話です。
キッカーの「サイズ」はテーブルの距離のこと
結論から書きます。
「12m」「14m」といったキッカーのサイズは、飛び出しから着地の始まりまでの距離のことです。この間の平らな部分を「テーブル」と呼びます。
つまり、飛び出す場所と、着地が始まる場所。その間が何メートル空いているか。それがサイズの数字です。
「12mまで」ではなく「12m飛ばないと届かない」
ここが大事なところです。
テーブルが12mということは、12m飛ばないと着地に届かない、という意味になります。上限ではなく下限です。
12mキッカーだから12mしか飛んじゃいけない、ではない。12m以上の距離を出さないと届かない。動画の中でもはっきりそう説明されていました。
言われてみれば当たり前なんですが、表記だけ見ていると逆に受け取りかねません。「自分にはまだ大きいから、手前で軽く飛んでおこう」という発想が、実は一番危ない。手前で終わるということは、テーブルの上に落ちるということなので。
気持ちよく飛べる距離は、表記より少し先
さらに一段ありました。
動画では、12mキッカーは基本的に12m以上飛ばないと気持ちよくない、という話が出てきます。ちょうど届く距離だと、着地の始まり際に落ちることになる。
実際、紹介されていたキッカーはテーブルが12から13mくらいで、15mくらい飛んで気持ちいいサイズ、という説明でした。表記としては12とか13だけど、飛ぶ量としては15くらい出ないとしっくりこない。だから実質15mキッカーと言っても過言ではない、と。
サイズ表記と、実際に必要な飛距離。この2つはイコールではないわけです。
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ローカルスキー場に14mキッカーができた話
この説明が出てきたのは、白取高原のビッグキッカーがオープンする日の朝でした。朝8時のリフト。オープンの整備と、チェックジャンプのために上がっていく場面です。
前回のビッグは、テーブルが11mくらい。その状態でみんなが13mくらい飛んで、高回転を狙っていたそうです。
今回は、テーブルが12から13mくらい。動画の後半では「14mキッカー」と呼ばれていました。
現物を目にしたときのリアクションが印象的でした。海外のキッカーのサイズにしか見えない、と。ただ、Rはすごくなだらかで、ビビらなければ安心して飛べそうな形ではある。その上で、テーブルがバカ長い、と。
白取高原に来てから5年ほどの中で最大サイズ。最大のパートを使った最大のビッグ、という説明でした。
同行者にとっても初めてのサイズ
気になったのは、同行していた方も飛んだことのないサイズだったことです。
これまで最大で10から11mくらい。別のスキー場の12mは飛んだことがある、という話でした。つまり、この14mは未経験のサイズになります。
チェックジャンプでは、まずスピードが足りるかの確認から入っていました。実際に入ってみて「ギリですね」という反応。
このあと、圧雪担当の方の協力のもとで、スピードのチェックをしたり、リップの角度を少し寝かせたりして調節していました。オープン当日に、飛ぶ人が調整しながら仕上げていく。パークってこうやって出来上がるのか、というのが見えた場面です。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
雪質と風で「届かない」が起きる
大きいキッカーで怖いのは、コンディションで届かなくなることです。
動画でも、雪質が変わっていくとちょっときつくなる時期も出てくる、と触れられていました。オープン後の説明でも、雪質が変わったり、向かい風が吹いていたりすると、届かないタイミングはもちろんある、と。大きいキッカーになるとそういうことが起きる、という話です。
だからコンディションを選んでトライしてほしい、という締め方でした。
同じキッカーでも、日によって必要なスピードが変わる。表記の数字は変わらないのに、届く・届かないが変わる。ここは頭に入れておきたいところです。
「ノリで飛ぶのだけはやめてください」
このクラスのサイズについて、はっきりした言葉がありました。
生半可な気持ちだとマジで怪我する。ノリで飛ぶのだけはやめてほしい。自信がある人、怪我してもいい人、もしくは怪我しない自信がある人だけ飛びに来てください、と。
飛びたい人はレッスンを受けに来てください、とも言っていました。
パークで一番怖いのは、雰囲気で入ってしまうことだと思います。周りが飛んでいるから、自分も行けそうな気がしてくる。でもテーブルの長さは雰囲気では縮まらない。届く距離を出せるかどうか、それだけの話です。
自分に合ったサイズを選べる状態
救いなのは、そのパークが大きいものだけではないことです。
紹介されていた構成はこうでした。
7mの2連キッカー。今年は大きめに作って、スピードも出るようになってきた。ストレートなら多分届く、という説明です。
下の方のパークには、3mの2連。それと、プリン型のいろんな遊び方をしてくださいというもの。初級のポコジャン2連。
つまり、3m・7m・14mと段階がある。技の練習という意味で、かなりサイズを選べる状態になっている、と。自分に合ったサイズで技を練習したり、ジャンプを気持ちよくしたりが選べる。
ジャンプ好きにとってはいい状態が整った、という言い方をしていました。
ビッグを飛ばない人の楽しみ方もある
もう一つ、この先の予定として話されていたことがあります。
ビッグキッカーの後の地形を整備して、ビッグを飛んだ後にさらに遊べるような地形パークにしていく予定だそうです。
そしてビッグを飛ばない人も、ナックルの横を通り過ぎてボーンとちょっとビッグのスピード感を体験しながら飛んで、その後に地形をサーフライディングできるような形になっていく、と。
大きいキッカーができると、飛べない人にとっては関係のないエリアになりがちです。でも横を使って、スピード感だけ味わって、そのまま地形で遊ぶ。そういう設計にしていくという話でした。
ちなみにこのスキー場、いつもは2月がけっこう楽しいそうですが、今年は2月後半から3月2週目までがいい状態の雪で遊べるのではないか、とのことでした。
まとめ
- キッカーの「12m」「14m」というサイズは、飛び出しから着地の始まりまでの「テーブル」の距離のこと
- 上限ではなく下限。12mキッカーは「12m飛ばないと届かない」という意味
- 表記どおりの距離ではちょうど届くだけ。テーブル12〜13mのキッカーなら15mくらい飛んで気持ちいい、という話だった
- 紹介されていた白取高原のビッグは、テーブル12〜13mで「14mキッカー」。そのスキー場で5年ほどの中の最大サイズ
- オープン当日はスピードが足りるかのチェックから入り、リップの角度を寝かせるなどの調節をして仕上げていた
- 雪質の変化や向かい風で届かないタイミングは出る。コンディションを選んで入る
- このクラスは生半可な気持ちだと怪我をする。ノリで飛ぶのはやめること
- 同じパークに3mの2連・7mの2連・ポコジャン2連もあり、自分に合ったサイズを選べる状態になっている
- ビッグを飛ばない人も、ナックル横でスピード感を味わって地形で遊ぶ形にしていく予定
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
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