スノボのカービング練習方法|ズレるターンから切れるターンへ段階ごとに見直すこと

スノボのカービング練習方法|ズレるターンから切れるターンへ段階ごとに見直すこと 滑りの話

カービングをしているつもりなのに、ターンがずれてしまう。

ヒールサイドでトラバースに入るとずれる。トゥサイドは入りでずれて、途中で膝を入れてなんとか持たせている。深く回ろうとすると、ガッと引っかかって転ぶ。

「スノボ カービング 練習方法」で調べると、こういう姿勢で、こう踏んで、と方法はたくさん出てきます。その通りにやろうとして、頭で考えながら滑る。それでも切れたターンにならない。

僕も同じところで止まっていました。もっと練習を積まないとできないものだと思っていました。

この記事では、僕が教わる側として滑ったときと、教える側として人の滑りを見てきたときの両方から、ズレるターンから切れるターンへ進む途中で何を見直したかを、段階ごとにまとめます。効果を約束する話ではありません。僕と、僕が見てきた人のあいだで実際に起きたことの記録です。

最初に見直すこと:考えすぎていないか

ずれる人ほど、滑りながら色々考えている

あるレッスンで最初に滑ってもらった人は、滑りながら色々考えていました。

板のどっち側を踏むか。この姿勢で。こうやって板を踏んで。そう考えながら滑っている。本人に聞くと「そうしないとできなかったから、そうしている」と言います。

僕はこれを「呪い」と呼んでいます。うまく滑るために足した意識が、かえって滑りを縛っている状態です。

本当は、ぼーっと「あっちに行きたいな」と思ったらきれいに曲がれる。それが一番いいはずです。全部の条件がそろわないと完璧にはそうならないけれど、その人の場合は、自分で自分を縛っている分を外すだけで、結構楽にできると思いました。

滑り方を言わなくても滑りが変わった

ある日のレッスンでは、板の踏み方や滑り方の話はほとんどしていません。板を脱いで少し体のことをやってから、また滑ってもらっただけです。

本人は「気持ち悪い」と言っていました。でも滑りは変わりました。板の真ん中に乗っている感じがする、と本人も感じていました。

その後に伝えたのは「膝を曲げないで」「腕を脇で固めない」くらいです。それで、トゥサイドで板が軽く立つようになりました。

その人の場合は、使っていたインソールを抜いたほうが良さそうな日でした。これは人によりますし、雪やエリアが変われば合うものも変わります。インソールが悪いという話ではありません。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

板が立ち始めたら:立てすぎ・踏みすぎを疑う

転び方が変わったら、それは前進

考えすぎを外すと、転び方が変わることがあります。

さっきの人は、ヒールサイドで転びました。でも映像で見ると、ずれて転んだのではありませんでした。深く掘れすぎて雪が耐えきれずに崩れ、板が刺さって転んでいた。前に踏みすぎたわけでもなく、ヒールサイドの板が立ちすぎた、刺さりすぎた、というだけです。

いつもはずれた結果として転んでいた人が、立ちすぎて転ぶようになった。同じ転倒でも中身が違います。

ヒールは「少なめに立てる」

ヒールサイドがうまくいかない人に、もっと立てないで、少なめに立ててみて、と伝えたことがあります。

バランスを崩しそうな立て方をターン中にやるから、ヒールターンが抜けてしまう。軽い力でやっても板はちゃんと立っています。映像で見ると、トゥサイドと同じぐらい立っている。

それでも本人は「全然立っていない感じがする」と言います。ヒールは立てないと立たない、と頭が思い込んでいるからです。

板が返ってくるなら、踏まなくていい

板の反発に負けて体が持っていかれることがあります。これは踏めすぎているからです。板が返ってくるくらいなら、踏まなくていい。

しゃがみ方も同じで、しゃがまないといけないと決めた瞬間に、できることの限界が決まってしまいます。しゃがんでもいいし、しゃがまなくてもいい。ここはこれくらい、ここはしゃがまない、と選べるほうが滑りは楽しいです。

深い姿勢で曲がる:倒れるだけでいい

僕が教わったときのこと

ここからは、僕が教わる側だったときの話です。

前振りのセッティングで滑ったとき、いつも通りに滑ったら転びました。前振りにするとエッジに圧がかからなくなるので、いつものダックスタンスでうまくいっていた体の使い方ではターンが成り立たなかったんです。

そこで教わった姿勢は、お尻を雪面につけるくらい低くして、膝を曲げる形でした。僕にとっては考えられないくらいの姿勢です。

でも、やってみると苦しくない。椅子に座れるなら膝は曲がる、というのと同じで、取れる体なら普通に取れる姿勢でした。

それまでの僕は、鬼のような練習を重ねないとこういうターンはできないと思っていました。教えてくれた人の言い方では、自転車に乗れたらすぐ曲がれるのと同じで、スノーボードも倒れるだけ、です。

この姿勢は、いっぱい曲がるための技術

注意されたのは、これはいっぱい曲がるための技術だということです。いっぱい曲がるラインでやらないと、立ち上がってこられない。

だから横にトラバースして、真横に進みながら、もうその姿勢に入るくらいの感じでターンする。ずっと前に乗っているので、ある程度行ったら後ろ足で踏む、というふうに変えていく。

できない理由は「フィジカル」

ただ、倒れるだけと教わってもできない人はたくさんいます。

その理由として聞いたのが、フィジカルの差です。ここでいうフィジカルは筋肉のことではなく、その姿勢を無理なく作れるかどうか。

僕がその姿勢を取ったとき、「きつい」ではなく「これでいいのかな」でした。簡単に取れたということです。逆に、その姿勢が取れない人に「この姿勢で滑るんです」と言っても、座れない人に膝を曲げろと言っているのと同じになります。

教える側の話として聞いたのは、国語・数学・社会の3つが苦手な人が、3つを同時に勉強しようとしているようなもの、というたとえです。体が思った通りに動かないまま、雪の上で姿勢も曲がり方も同時に練習するのは、順番として無理がある。

僕自身、自分の滑りが大きく変わったシーズンを振り返ると、滑った回数より、体の可動域が増えたことのほうが大きかったと感じています。ビンディングを変えた効果もあるかもしれません。でもカービングこそフィジカルがめちゃくちゃ大事、というのが今の実感です。

「ガガガ」の手前で止めて、起き上がる

ガガガは、雪が崩れているサイン

ターンの途中で板がガガガッとなることがあります。

これは操作が下手で起きているのではなく、雪が崩れる、グリップする、崩れる、を繰り返している状態です。

車でカーブを曲がろうとしてスピンしかけているのに、まだアクセルを踏んだりハンドルを切ったりしている。本当はアクセルを緩めればいいだけなのに、みんな耐えようとする。だから雪が崩れる。そう教わりました。

本来はギリギリでグリップする、おいしいところをコントロールしないといけない。前振りにするとエッジに圧がかからないので、そのコントロールが楽になる。これが前振りでカービングがやりやすくなる理由だと聞きました。セッティングの細かい話は別の記事に分けます。

限界を見つけたら、その手前へ

前振りでもガガガが出るなら、そこが今の雪に対する、そのセッティングの限界の領域です。

それを見つけたら、ギリギリ手前まで持ってくる。そうすると、体を起こす動きができるようになります。それまでの僕は倒れているだけでした。

起き上がろうとしない。起き上がってくる

板をギンと曲げると、体は下に落ちようとして、板は上に上がってこようとします。

自分が起き上がりたいタイミングでそこを強めると、下に落ちなくなって、体が帰ってくる。ずっと倒れたままだと曲がりが弱くて、起き上がるのが難しい。板と自分が落ちていくエネルギーを交差させるために板を立てて曲がる、ハンドルを切る。すると体が起き上がってくる、という説明でした。

ここで言われたのが、起き上がろうとするのではなく「起き上がってくるわ」となる感覚です。

つまずいたのはスピードでした。スピードがないと起き上がれません。足りない場所では、すぐ終わらせる。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

ライン取りとタイミングを見直す

前振りでは、起き上がるタイミングが一瞬しかない

教わっている途中で、僕はダックスタンスのときのライン取りと起き上がり方をしている、と指摘されました。

前振りはエッジに圧がかからないので、下に落として起き上がろうとすると、そのタイミングは一瞬しかありません。早く立たないといけないタイミングなのに、僕は長く座ろうとしていました。

長くしゃがみたいなら、横に進んで大きな弧を描くライン取りにする。ライン取りだけで全然変わりました。

体は早めに倒す。45°で起きる準備

ラインを変えても、体を早めに倒すのは変わりません。かかる圧が弱いからです。

目安として言われたのは、自分の進む方向がフォールラインに対して45°ぐらいを向いたときには、もう起き上がる準備をしていてほしい、ということでした。

そのほかに言われたのはこのあたりです。

  • 立たせすぎたら、もっと寝かせる
  • 体を伸ばしてしまっていたら、頭を自分のボードに近づけるイメージ
  • ターンの導入でかけすぎて掘れていたら、もう少し緩めに、遅く倒れる感じでいい

できてくると、押さえるほうが難しくなる

この段階で一番意外だったのは、力を入れなくていいことでした。

できるようになってくると、押さえるほうが難しくなる。だから脱力が大事。僕は知らないうちに力が出ていて、できない技を頑張ってやろうとしていました。「そんなんでいいの」と思うくらいで十分だったんです。

板によっても違います。僕が乗っていたのは普通のキャンバーで、圧がかかる板です。同じフォームでやるとやりすぎになる。前半は緩く、立つときだけ強く。ただしこれは僕の場合で、人によって違うと言われています。

欲が出てかけすぎると、僕の場合はダメでした。欲を出さずにリラックス、です。

ヒールで深く回りたいときに転ぶ

楽な姿勢のほうを選ぶ

教える側で見た例です。ヒールで深く回りたいと思うと、ガッとなってしまう人がいました。

ターン中の体勢をその場で作ってもらうと、少しきつそうでした。めちゃくちゃきついわけではない、という程度です。そのきつい体勢をやめて、楽なほうで行ってもらいました。

すると、転ぶのがターンの後半に移りました。耐える場所、耐えるタイミングが変わったということです。

急に曲がる踏み込みは、ターンの最初に

その人が転んでいたのは、急に曲がりたいときの踏み込み方をしたときでした。

伝えたのは、それをターンの一番最初にするだけ、ということです。「自分はこうやって曲がるんだ」というのを、ターンの後半にやらない。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

自分なりに滑り込まない

この人は悩み続けて、ああでもないこうでもないと自分なりに滑り込んでいました。でも、自分なりに滑り込むほど、どんどん崩れていきます。

もう一つ、僕自身にも共通することがあります。調子が出てくると、もっと行ってやる、もっと行ってやる、となる。それをどれだけ我慢できるか。出す力を、斜度とスピードに合わせることです。

「いい」と感じたら疑う

セッティングの話も出ました。ビンディングを付け替えてセンタリングを変えると、自然に座ったときのお尻から板までの距離が遠くなっていました。本人はそれに気づいていませんでした。いいと思って使っていたセッティングでも、使えていないことがある、という話です。

自分でいいと感じたら疑ったほうがいい。僕らが感じる「いい」は、一般人レベルの「いい」でしかないからです。これは僕自身にも言い聞かせています。

次の段階:ミドルターンで連続させる

大きく回って下のほうで起き上がれるようになったら、次はそれを手前でやめて、ミドルターンぐらいでトゥサイドもヒールサイドも連続させる段階です。

スピードを落とさずに同じようにやる。頑張って寝なくていい。早く切り替える。僕はこう言われて滑りました。

僕自身、細かい切り返しやショートターンは苦手でした。あるシーズンの6日目には、そこがかなり克服できてきた感覚がありました。そのときのスタンスは18、-9くらいで、そんなに前振りにはしていません。前のシーズンは硬いバーンや苦手なバーンではできるだけ前振りにしていましたが、その日は硬い斜面でも以前より深く切れていました。

なぜ正解のやり方が今までできなかったのか。なぜうまい人たちはそれが正しいと言うのか。それが少しずつ分かってきた、という感覚です。ただ、こう構えればできる、という話ではありません。その構えを形として取れて、結果も伴っているかどうか。そこが大事だと思っています。

行き詰まったら、練習量より原因を探す

3回やってできなければ、一度やめる

やりたい技があったら、とりあえず3回ぐらいやってみる。それでできなければ、練習を続けるより一度やめて原因を探したほうがいい、と僕は考えています。

原因の候補はいくつかあります。

  • 道具
  • セッティング
  • 雪質
  • スピード
  • 自分の体的にまだ無理なのか

原因が分かれば、そこを直せばいい。100回やればいつかできる、というやり方もあります。でも忙しい人は、一つの技に100回もかけていられません。

撮ってもらう、一緒に滑る

一人で滑る良さもあります。でも、動画を撮ってもらったり、相手の滑りを撮ったりするのは、成長の鍵になると思っています。

本人は「ずれている」と感じていても、映像で見るとずれていない。逆に、楽だと感じていても外から見るとしんどそう。自分の感覚と見た目がずれていることは本当によくあります。一緒に滑る人の影響で、滑りが変わることもあります。

荒れた斜面からも逃げない

きれいなバーンでしか練習しないと、少しでも荒れたらできなくなります。教わったときに言われたのは、ボコボコの斜面や雪が掘れる日でもできるようにしていかないと、本当はいけない、ということでした。

ただ、たまの休日に楽しく気持ちよく滑りたい人は、それでいいとも言われています。どこまでやるかは、自分で選んでいいと思います。

まとめ

  • 板の踏み方や姿勢を考えながら滑っていないかを見直す。その意識を外しただけで滑りが変わった人もいた
  • 転び方が「ずれて転ぶ」から「立ちすぎて転ぶ」に変わったら前進。ヒールは少なめに立てる、板が返ってくるなら踏まなくていい
  • 深い姿勢は、いっぱい曲がるための技術。トラバースから早めにその姿勢に入る。できるかどうかは筋力より、その姿勢を無理なく作れるかどうか
  • ガガガは雪が崩れているサイン。限界を見つけたらその手前に持ってくると、体が起き上がってくる。スピードがないと起き上がれない
  • 前振りでは起き上がるタイミングが一瞬しかない。長くしゃがみたいならライン取りを変える。45°ぐらいで起きる準備をする
  • できてくると、押さえるほうが難しくなる。脱力と、出す力を斜度とスピードに合わせることが大事
  • 急に曲がる踏み込みはターンの最初に。自分なりに滑り込まず、自分で「いい」と感じたものほど疑う
  • 3回やってできなければ一度やめて、道具・セッティング・雪質・スピード・体のどこが原因かを探す

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