ターンの切り替えのときに、気づいたら手をついている。
そういう滑りになっていませんか。
自分ではつこうと思っていないのに、勝手に手が出る。映像を見返すと、しゃがみ込んで、体を倒して、なんとかターンを終わらせている。本人としては一生懸命やっているのに、なぜか毎回しんどい。
もっと練習しよう、もっと体を動かそう、と考えます。真面目な人ほどそうなります。
でも、その「しんどさ」の原因が、滑り方ではなくスタンスの側にあることもあります。
今回の動画は、スタンスを楽に立てる位置に変えて滑ったときの会話がそのまま入っているものです。派手なハウツーではなくて、滑りながら「あ、ここでいいんだ」と気づいていく過程が記録されている、そういう内容でした。
僕が見ていて面白かったのは、上手くなるために足したのではなく、要らない動きが減っていったところです。
スタンスが合っていないと、ターンの切り替えで動きが増える
動画の中で最初に出てくる感想が、これです。
楽。
考えすぎじゃない? と聞かれて、そうだね、と返して、そのあとに「楽」。ここでいいんだって思えたら、という話が続きます。
そして横から指摘されているのが、動きの量が減っている、ということでした。見た目の上で、ターンの切り替えのときにしていた動きがなくなってきている。それが「あ、ここいらないんだね」という気づきとして本人の中に入って、だんだん減っていく。
これ、けっこう不思議な現象だと思うんです。
普通、滑りを良くしようとすると何かを足します。もっと膝を曲げる、もっと前に乗る、もっと目線を送る。でもこの動画で起きているのは逆で、今までやっていた動作が要らなくなっている。
やることは簡単な方がいいか、という確認に対して、そうそうそう、と重ねて肯定される場面もあります。
ターンで手をついていたのは、体を倒さないといけなかったから
ここが一番わかりやすい話でした。
映像だけを並べて見ると、前の方がしゃがめているし、手もついているように見える。上手そうに見えるのはむしろ前だ、という見方もできる。
でも、手をつく必要がないでしょう、と言われます。
前までは、手をつかないといけない感じになっていた。本人も「勝手に手ついちゃってた」と言っています。そして、手をつくことで体を倒さないといけなかった。今はそれをしなくても綺麗に滑れているから、手が要らない。
つまり、手をつく動作そのものが悪かったのではなくて、手をつかないと成立しない滑りになっていた、ということです。
自分の滑りを映像で見て「手が出てるな」と気づいたとき、僕らはたいてい「手を出さないようにしよう」と考えます。でもそれは、原因ではなく結果の方を直そうとしている状態かもしれません。
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「楽に立てるか」を軸にする|スタンサーと体の意見
動画の中で何度か出てくるのが、スタンサーという言葉です。
僕はその仕組みを詳しく説明できる立場ではないので、ここでは動画で語られていたことだけ書きます。
スタンサーしよう。やっぱスタンサーしようぜ。みんな体の意見を大事にしようね。
この「体の意見」という言い方が、この動画の芯だと思いました。
滑っている本人も、なぜ立てるのかは分からないと言っています。壁のところでも立てる、なんで立てるのかも分からない、結局は立てる場所だよね、と。理屈から先に入っていないんです。楽かどうか、立てるかどうかを体が先に答えていて、頭はそれを後から追いかけている。
スタンスのアングルはドンピシャでなくても変わる
もうひとつ、これは気が楽になる話でした。
この滑りの時点で、まだアングルは合っていないそうです。ドンピシャじゃない。合わせたらもっと良くなる、とも言われています。
それでも、ターンの切り替えの動きは減って、手はつかなくなっている。
完璧に合わせないと効果が出ないわけではない、ということだと思います。最適な一点を探し当てるまで何も変わらない、という話ではなくて、近づいた分だけ楽になっている。
数字の話も少し出てきます。真ん中に近いっぽいな、3度ずれてる気がする、といったやり取りです。ただ、どの数字が正解という結論は出ていません。分からない、と言いながら滑っている。そこも含めて正直な動画でした。
道具のせいにしたくなる気持ちと、板のウエストとドラグの話
面白かったのが、上手くいったときの反応です。
機械が悪い、こんなの関係ない、という言葉が出ます。天気とかも関係ない、と。
滑りがしんどいとき、僕らは外側に理由を探します。板が古いから、雪が悪いから、視界が悪いから。それが全部言い訳になるわけではないと思いますが、この動画では、楽に立てる位置に来たら外側が気にならなくなった、という流れになっています。
ガスも人の多さも凸凹も、気にならなくなった
あんまり気になんなくない? と聞かれて、全然気にならない、と答えています。
ガス、人が割と多いこと、ボコボコの斜面。これらについて、跳ねるな、ちょっと辛いなって時はあるけど、でも別にそれが嫌ってわけではない、と。
辛い瞬間はある。でも嫌ではない。この区別はけっこう大事だと思っていて、コンディションが良くないと楽しめないのか、良くなくてもとりあえず成立するのか、で滑れる日数がまるで変わります。
板のウエストとブーツの位置関係
そのあと、板のウエストの話になります。
そっちの方が細く感じるもん、という感想に対して、いや太い、と返される場面です。細く感じていた板が実際には太かった。
そして、普通の人はブーツとウエストが近めで乗ってる人の方が多い、という話が出ます。だからドラグしない。そりゃ立つわ、だってドラグしねえもん、簡単だわ、と続きます。
差としては2mmか3mmくらいじゃないか、1cmも変わることはないよね、という会話になっています。数ミリの違いで体感が変わる、という話としてそのまま受け取るのがいいと思います。
ここは僕も自分の板とブーツで確かめたくなりました。自分のブーツが板の幅に対してどのくらいはみ出しているのか、ちゃんと見たことがある人はそう多くないはずです。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
崩れても戻ってこられるのは、楽なスタンスだから
後半は、遊びの動きに入っていきます。
真っ直ぐ滑って気持ちよく、という方向ではなく、変な体勢に持っていってから戻ってくる、みたいな動きです。中で「何のスポーツか分かんなくなってくるね」と笑っているくらいなので、かなり崩した滑りをしています。
そこで出てくるのが、この言葉でした。
まずこれが楽なのよね。だから、イカれた状態にでも体が動く。
順番が逆じゃないんです。すごい動きをするために気合いを入れているのではなく、楽な場所に立てているから、崩れた体勢からでも体が動く。なんか今みたいな変なことやっても生き返れるから、とも言っています。
崩す系の動きは「転がっている」のではない
コツとして説明されている部分が明確だったので、そこは残しておきます。
ただ転がってると思ってるでしょ、違うから。そう言われます。
ただ転がっているのではなくて、いつでもヒールをかけられる準備をしている。どんな体勢になっていても、です。そして、親の敵ぐらいヒールを叩きつければ戻ってこられる。
手順としてはこう語られています。いいスピードで行って、雑に転がって、スピードが死ぬ前にかかとを落としてガツンと入れたら帰ってこられる。止まっちゃダメ。止まる前にかかとを落とす。
侵入スピードも大事で、結構スピードがいる、という話も出ます。スピードが死んじゃったときは戻れていません。
あと、どのくらいの向きまで行ったら死ぬでしょう、という向きまで行ってから帰ってきた方がポイントが高い、点数はつく、停止は0点、という基準で遊んでいます。
立ち上がれる場所にいるかどうか
うまくいかなかったときの指摘も、同じ話に戻ります。
いつでも立ち上がれないといけない。立ち上がれる場所にいないんだよ。
崩した動きでも、スタンスの話でも、言っていることは変わりません。立てる場所にいるか。楽に立てているか。技のコツというより、それ以前の位置の話をしている動画だと思いました。
カービングでふざけると、そのまま真っ直ぐ行ってしまう
最後の方に、自己申告みたいな一言があります。
壁に行きたいけど、行くまでのカービング斜面でふざけたくなっちゃう。で、ふざけ始めたらそのまま真っ直ぐ行っちゃう、いつも。
これ、僕も分かります。目的の地形に着く前に、道中のバーンが気持ちよくて遊んでしまって、本来やろうとしていたことを忘れる。
動画では、前半にふざければいい、という整理になっていました。あそこに行くまでよ、と。
あと、転んだところを一番頭にやれば成功する、という話も出ています。途中でやったから失敗した、と。やる順番を変えるだけで結果が変わることもある、という話として受け取りました。
まとめ
- ターンの切り替えで手をついてしまうのは、手をつかないと成立しない滑りになっているからかもしれない。手をつくことで体を倒さないといけなかった、という指摘が動画に出てくる
- 楽に立てるスタンスになると、切り替えでしていた動きが減っていく。足すのではなく、要らない動きが落ちていく形で滑りが変わっている
- スタンスのアングルはドンピシャでなくても変化は出る。動画の時点ではまだ合っていないが、合わせたらもっと良くなるという話だった
- 判断の軸は「楽に立てるか」。理由は本人にも分からないまま、体の意見を先に採用している
- 板のウエストとブーツの位置関係でドラグするかが変わる。差は2mmか3mmくらいで、1cmも変わることはないという会話だった
- 楽な場所に立てていると、崩れた体勢からでも体が動く。崩す系の動きも、いつでもヒールをかけられる準備をしているのが前提
- 止まる前にかかとを落とす。侵入スピードも要る。停止は0点、という遊び方の基準になっていた
- 滑りがしんどいとき、板や天気を疑う前に、自分が立てている場所を疑ってみる価値はありそうです
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。
- LINE公式 → https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=351olsrh
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内容や日程の相談だけでも大丈夫です。滑っている動画を送ってもらえれば、それを見たうえでお返しします。
雪の上のプライベートレッスンは、扱っている内容(カービング・ジャンプ・キッカー・スピン・道具選び)と料金をこちらにまとめています。
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夏のあいだのオフトレとしてやっているトランポリンのプライベートレッスンは、内容と料金をこちらにまとめています。
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もっと踏み込んだ話
ここには書けない実際の事例や、細かいところはメンバーシップのほうで話しています。
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