スノーボードとトランポリンの関係|回転の感覚は跳んで覚えられるのか

スノーボードとトランポリンの関係|回転の感覚は跳んで覚えられるのか 身体づくり

グラトリで回りたい。キッカーで回りたい。

でも、いざその場面になると、自分がどう動けばいいのかイメージが湧かない。頭の中に「回っている自分」の絵が出てこない。

そういう状態、ありませんか。

僕はこれをずっと、トランポリンでどうにかしようとしてきました。オフの間にトランポリンに通って、そこで回る練習をして、その感覚を雪の上に持っていこうとした。実際にボードを履いてトランポリンに乗ったこともあります。

結論から言うと、つながる部分は確かにありました。ただ、僕が最初に思っていた「つながり方」とはだいぶ違っていて、順番を間違えるとほとんど何も残りません。

ここでは、僕が実際にやってみて分かったことだけを書きます。うまくいったことも、うまくいかなかったことも含めてです。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

共通するところ

空中で回るという動作そのもの

まず、はっきり共通しているのはここです。

スノーボードでキッカーを飛ぶとき、僕らは踏み切って、体をパクッと畳んで、回る。ウェイクボードならハンドルを持って、飛んでから回してグラブをする。動きの中身は違っても、「跳んで、空中で体を回して、下りる」という骨格は同じです。

トランポリンで練習できるのは、まさにこの骨格の部分です。ひねる、抱え込む、回転を作る、着地する。板がなくても、その運動自体は成立します。

だから、回転の感覚をイメージするための場所としては、確かに機能します。僕がトランポリンを続けてきたのも、そこに価値を感じたからです。

半回転を丁寧に積むという道筋

もうひとつ共通しているのが、進み方の設計です。

トランポリンでスピンをやりたいなら、まずは半回転から慣れていくのが順当です。いきなり多く回そうとしても、その先が続かない。仮に回れるようになったとしても、そこから先に伸びていかないんです。

これはスノーボードでも同じことが言えます。基礎を飛ばして上の技に行こうとすると、どこかで止まる。トランポリンでもスノーボードでも、地味なところを積んだ人だけが上がっていくという構造は変わりませんでした。

僕自身、トランポリンでの回転はめちゃくちゃ練習しました。今は割と簡単そうにやっているように見えるかもしれませんが、そこまで来るのは結構大変です。3ヶ月、毎週1〜2回通って、やっとできるようになったものがあります。「トランポリンを1回やったら技ができるようになる」ということはありません。練習した人だけがうまくなる。単純な話ですが、僕がやってみて分かったのはそれでした。

違うところ

板がつくと、まったく別の難易度になる

ここが一番の誤解ポイントかもしれません。

僕は実際に、スノーボードの短い板(子供くらいのサイズ)を履いてトランポリンに乗ってきました。板を履いたまま回ったり、板を掴んでグラブしたり、というのを最近やっています。動画も何本か撮って、1回目から4回目までを見返しました。

1回目の動画は、正直ひどいものです。まず高さがまったく出ていない。

これがなぜかというと、板を履いた状態で跳ぶと、空中でバランスを取るのがめちゃくちゃ難しくなるからです。板なしでまっすぐ跳べていたとしても、板を履いた途端に、まず真上に跳ぶことすらできなくなる。グラブがどうとか、回転がどうとか、そういう話にすらならないんです。

見返してみると、ためを作って前に跳ぼうという意識はあるようでした。でも上半身がけっこう振れている。高く跳べても曲がらない。板を動かせていない。そんな状態でした。

回を重ねると、少しずつ形になってきます。膝を胸に持ってこよう、手を迎えに行ってグラブを掴もう、という動きが出てくる。4回目には、だいぶきれいに回れているものもありました。それでも「本当にすっげー難しい」という感想は、最初から最後まで変わりませんでした。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

面白いのは、板を履かないときとの差です。板を履かずにトランポリンで練習していたことが、板を履いた状態でもできるようになった、という場面はありました。逆に、フロントサイド側は板を履いてやると難しくて、板を履かなければできる、ということもあります。

つまり、板というのは回転の練習を助ける道具ではなくて、難易度を一段上げる要素なんです。ここを取り違えると、板を履いてトランポリンに乗ること自体が目的になってしまいます。

イメージだけでは、雪の上では通用しない

もうひとつの違いが、これです。

僕はトランポリンでは宙返りも、宙返り1回ひねりも、後ろ宙返り1回ひねりもできます。でも、それをスノーボードでやったことはなかった。板を履いて雪の上でやるのは、まったく別の話でした。

実際に雪の上で挑戦してみたことがあります。トランポリンで練習した動きのイメージだけを持ち込んで、縦回転をやろうとした。

結果は事故でした。

動画を見返して分かったのは、本来なら踏み切った後につま先側のエッジにしっかり乗らなければいけないところを、フラットのまま、頭だけで抜けようとしていたということです。だから前に落ちるような形になった。次の課題は、つま先側のエッジをしっかり使ったうえで踏み切ることだと思っています。

これはトランポリンの回転が無駄だったという話ではありません。ある程度イメージが付いていたから挑戦できたわけですし、ゼロからだったらそもそも無理です。ただ、「トランポリンで回れる=雪の上でも回れる」ではまったくない。そこは、身をもって分かりました。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

実際にやってみてどうだったか

順番を間違えると、どちらも伸びない

ここが、僕がこの記事で一番書きたかったところです。

トランポリンにスノーボードの板を持ち込みたい気持ちは、すごくよく分かります。板があるんだから履きたい。ウェイクボードならハンドルを持ちたい。僕も最初は、それをやるべきだと思っていました。

でも、やっていてもなかなか身にならなかったんです。

理由ははっきりしています。いきなりその競技の動きをトランポリンでやろうとしても、できないからです。トランポリンの基礎ができていない人が板を履いてトランポリンに乗っても、たぶんうまくなれない。トランポリンもうまくならないし、板を履いてやること自体もうまくならない。

先に必要なのは、トランポリンの基礎のほうでした。ある程度まっすぐ高く跳べる。トランポリン的な回転ができる。抱え込みジャンプができる。ひねりが打てる。完璧である必要はないと思いますが、ある程度できるようになっておいたほうがいい。

そのうえで、実際の競技の動きをイメージして自分に当てはめていく。この順番がすごくいいんじゃないかと、僕は思っています。

まずはまっすぐ跳ぶところから

具体的に何から始めるか。僕がやってきたのは、片足跳びです。

まず片足で跳んでみてください。両足でも、たぶん最初はまっすぐ跳べないと思います。理由ははっきり分かっていないんですが、なぜか片足で跳ぶ練習をすると、まっすぐ跳べるようになります。

片足跳びも、最初はまっすぐできないはずです。どこかへ行ってしまってもいい。ただ、なるべくトランポリンの真ん中に留まっているつもりで跳ぶ。実際に真ん中に居続けるのはすごく難しいので、無理かもしれません。それでも「なるべく真ん中で」という意識だけは持ちながらやってみてください。

順番としては、まず両足跳びを10回くらい。その後に片足跳びを左右10回ずつ。もう一度、両足跳びをやってみる。

そうすると、片足跳びをやる前とやった後で、両足ジャンプのクオリティが違うのが分かります。跳ぶ高さが違う、前後左右にあまり動かなくなった、といった気づきが出やすい。だからこの順番をおすすめしています。

その先のトランポリンの基礎については、施設の係の人に聞けば教えてもらえます。

「回れるようになる」より前に、跳べるようになる

スピンをやりたいという気持ちは、ボード系のスポーツをやっている人ならみんな持っていると思います。

ただ、スピンをやるにはトランポリンの基礎や抱え込みジャンプができていないと、うまくなるのが遅くなります。これも理由はよく分からないんですが、トランポリンの基礎をやってからスピンの練習をしたほうが、結果的にスピンが早くうまくなるんです。

そして基礎ができた前提で回転に入るときも、いきなりスノーボードのイメージを持ち込んでも最初はあまり意味がありません。まずはトランポリン的な回転に慣れる。半回転を、きれいに跳んで回る形でしっかり練習する。ここがうまくできないと、たとえ多く回れるようになっても、その先がないんです。

順番として言うと、こういう流れになります。片足跳びをやる。まっすぐ跳べるようになってきた、トランポリンの基礎ができるようになってきた、じゃあちょっと回ってみようかな。この流れがいいんじゃないかと思います。

最初のうちは、半回転までいけたら十分です。

宙返りも、結局は同じ道でした

ついでに書いておくと、バク宙も構造は同じです。

「トランポリンに立って、3回軽く跳んで、そのまま後ろに跳ぶ」と説明することはできます。でも、この説明で実際にできる人はほとんどいないと思います。それが普通です。

もしこの説明でなんとなく分かるレベルまで来ているなら、やっていいと思います。分からないなら、まだやらないほうがいい。この説明でなんとなく分かるようになるまで、トランポリンをやりまくってください。それが結局は近道です。

いきなり宙返りをやりたいと思う気持ちは分かりますが、首の骨を折ります。危ないです。コツコツ練習を積み重ねていって、そのうえで挑戦してほしい。焦らなくても、ちゃんと練習しだしたらできるようになります。

それと、これは正直に書いておきます。ネットで宙返りのやり方の動画を見て、一人でチャレンジしてもなかなかできません。ちゃんとできる人に直接見てもらったほうが早いです。それは間違いないと思っています。

施設に行くときに気をつけていること

トランポリンにも種類があります。

僕が使っているのは競技用のトランポリンです。網目状の生地で、体操をやっている人が練習で使うような、がっつり跳ねるタイプ。それとは別に、布のような生地でできた遊び用のトランポリンもあって、こちらはそんなに高くは跳べません。自分で頑張って跳ばないと高さが出ないぶん、安全です。

だから、初めて行くときはいきなり競技用のトランポリンを使わないほうがいいと僕は思っています。黒やグレーのような暗い色の、布っぽい生地のトランポリンがどこにでもあると思うので、そちらから始めてください。競技用は、脚力があると初めての人でもいきなり高く跳べてしまうんです。

エアマットが置いてある施設もあります。中に空気が入っているマットで、バク転やバク宙の練習に使うものです。ちなみに僕は、あれは全然できません。

まとめ

  • スノーボードとトランポリンで共通しているのは「跳んで、空中で回って、下りる」という骨格の部分。回転のイメージを作る場所としては確かに機能した
  • ただし板を履いてトランポリンに乗ると、空中でバランスを取るのがめちゃくちゃ難しくなる。真上に跳ぶことすらできなくなるので、グラブや回転以前の話になる
  • トランポリンで宙返りやひねりができても、それだけで雪の上の縦回転ができるわけではなかった。僕は実際に挑戦して事故になり、踏み切りでエッジに乗れていなかったことが原因だと分かった
  • 順番を逆にすると、どちらも伸びない。トランポリンの基礎(まっすぐ高く跳ぶ・抱え込みジャンプ・ひねり)を先に、競技の動きは後
  • 始め方は、両足跳び10回 → 片足跳び左右10回ずつ → もう一度両足跳び。片足跳びの前後で両足ジャンプの質が変わるのが分かる
  • 回転は半回転から。ここをきれいにできるようにしないと、多く回れるようになってもその先がない
  • 僕は3ヶ月、毎週1〜2回通ってやっとできるようになった技があります。1回やって技ができることはなくて、練習した人だけがうまくなる
  • 施設に行くときは、いきなり競技用のトランポリンを使わず、布っぽい生地のものから始める

他の競技とスノーボードの話

スノーボードと他の競技のつながりについては、ほかにもこんな記事を書いています。


自分の場合はどうなのか

ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。

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