スノーボードとウェイクボードの関係|横乗りの感覚は夏に作れるのか

スノーボードとウェイクボードの関係|横乗りの感覚は夏に作れるのか 身体づくり

夏のあいだ、雪山から離れると滑る感覚が抜けていく気がする。

そう感じたことはありませんか。

シーズンが終わって数か月、次に板を履いたときに、去年の最後の一本の感覚がどこにも残っていない。あの感じを保ったまま冬に入れたらいいのに、と思う。

そこでウェイクボードが気になる、という人は多いと思います。板に横向きに乗って、エッジを使って、飛ぶ。見た目はたしかに似ている。でも実際にやってみたら何が同じで何が違うのか、そこは滑ってみないと分からない部分です。

僕はウェイクボードもやっています。動画を撮りながら練習して、できなかったことを後から見返して反省して、というのを続けてきました。だから、上手い人としてではなく、途中の人として書けることがあります。

先に言っておくと、この記事は「ウェイクボードをやればスノーボードが上手くなります」と言い切る記事ではありません。僕が実際にやってみて感じた、重なるところと重ならないところを、そのまま書きます。

道具のところで、すでに近い

いちばん分かりやすい共通点は、道具です。

ウェイクボードの板は、幅があります。硬い雪の上を滑るスノーボードと違って、水の上を進むので、幅がないと浮力が出ない。だから板の形そのものは違うんですが、両足を板に固定して横向きに立つ、という構造は同じです。

足を固定する部分は、大きく分けて3種類あります。

ひとつはブーツをそのまま板に付けるタイプ。ふたつめはオープントゥといって、つま先が出るタイプです。これは一人一枚板を持っているという場合があまりないから、というのが理由で、趣味で楽しむくらいだとみんなで板を共有して使うことが多い。オープントゥはサイズがS・M・Lくらいの分け方で、つま先が空いているからだいたいどのサイズの人でも履ける。共有前提の作りになっているわけです。

そして3つめ。ここがスノーボーダーには耳より情報なんですが、スノーボードと全く同じビンディングを板に付けて、そこにブーツを履いて乗るタイプがあります。

スノーボードのビンディングをそのまま持ち込める。ここはかなり近いと思います。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

ウェットスーツについては、種類がいろいろあります。僕が使っているのはスプリングという名前の種類で、袖もズボンも短めのやつです。ただ、暑い時期は水着にライフジャケットだけで滑ることもあります。そのへんは日差しの有無や時期によって変わります。

感覚として重なるところ

横乗りの「立ち方」に共通の癖が出る

ウェイクボードで一番難しいと言われているのが、立つところです。

水の上で板を履いて浮いた状態から、船に引っ張られて立ち上がる。この最初の一歩で、ほとんどの人が同じ失敗をします。

何をするかというと、船に引っ張られる力に負けないように、腕を曲げてハンドルを引き寄せてしまう。引っ張られる力がすごいので、身体が反射的にそうなるんです。

でもそうすると、立ち上がろうとした瞬間に船に引っ張られて、前に持っていかれる。

だから僕が最初にやる人に言うのは、腕は絶対に曲げない、これだけです。

腕を伸ばしたまま、しゃがんだ状態で水面を待つ。板が滑り出したなと思ったら、そこで立つ。腕を伸ばしたままなら、引っ張られても前に持っていかれません。

もうひとつ。たまに、下ばかり見てしまっている人がいます。ほぼ真下を見ている状態です。そうすると、その体勢のまま引きずられて、いつまでも板が動いてこない。水の抵抗を受け続けることになります。

だから、船をしっかり見る。顔は船に向けて、でも腕は伸ばしたまま。そのまま引っ張られていくと、だんだん板が水面に合うようになってきます。

力に対して身体をどう置くか、という問題が最初の関門になる。これは横向きに板に乗る以上、避けて通れないところだと思います。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

エッジを入れた分だけ力が返ってくる

もうひとつ、感覚としてはっきり重なると思ったのがエッジです。

板のエッジをどれだけ入れるか、どれだけ倒すか。それによって生まれる力が変わる。これはウェイクボードをやっていて、はっきり体感します。

そして、踏んだ分だけ返ってくる。強く踏めばグンと強い当たりが来て、その分だけ高く飛べる。踏まなければ返ってこない。

この「入力した分だけ返ってくる」という関係は、雪の上でも同じことを感じている人が多いんじゃないかと思います。

僕自身は、普段のウェイクボードでは、スピードをつけて入っていくので、抜けのタイミングで波を思いっきり踏んでいるという感じはあまりありませんでした。波が近づいてきて、この辺かなという時に、軽くポンと踏むくらいの意識でやっていた。

それが、あるときサーフの側をやらせてもらう機会があって、そこで初めて、自分で思いっきり踏みに行く、合わせに行くという滑り方をしました。

これがすごく面白かった。波が大きくて、自分から踏みに行って、パーンと自分で跳びに行く。それをたくさん練習できた。エッジをどれだけ入れるとどれだけの力が生まれるのか、ロープのテンションをどう使うのか、そういうことが、そこですごくよく分かりました。

スピードが遅い分、恐怖なく、練習中の技や、やったことのない技にもチャレンジできる。ただ、低速だからこそ難しいところもあって、そこは簡単ではありませんでした。

普段やっていることの、力の入れ方だけを変えてみる。それで見えてくるものがある、というのは、雪の上でも起きることだと思います。

違うところ

引っ張られる力がある

決定的に違うのは、外から引っ張られる力が常にあることです。

スノーボードは、自分で斜面を落ちていく。重力に対して自分がどう立つか、という競技です。

ウェイクボードは、船が引っ張ります。しかも最初に書いたとおり、その力はかなり強い。だから「引っ張られる力にどう耐えるか」「ロープのテンションをどう使うか」という要素が、常に入ってきます。ここはスノーボードには無いものです。

ロープが短いと外に広がるのが大変、といったことも、やってみて初めて分かりました。雪の上には、そもそも対応する感覚がありません。

コンディションの意味が違う

もうひとつは、水面の状態です。

普段より波が大きいとか、低速で滑るとか、条件が変わると、できることが変わる。風が強い日や荒れている日は、普通にウェイクボードをやっても飛べなくて練習にならない、ということがあります。

そういう時にサーフの側なら、多少荒れていても飛べる。荒れているかどうかで、選ぶ滑り方が変わるわけです。

雪でも「今日は硬いから」「今日は柔らかいから」と滑りを変えることはありますが、水面の場合はもっと直接、その日にできる練習の種類が決まってしまう感じがあります。

苦手な向きが、はっきり出る

ウェイクボードの動画を見返していて気づくのは、かかと側とつま先側で、できることの差がはっきり出ることです。

僕の場合、つま先側からのジャンプはちょっと難しくて、まだあまり出ていません。かかと側のほうが比較的得意です。飛べても空中でバランスを崩して後ろに落ちてしまうこともあります。まだまだのレベルです。

苦手な向きが自分で見えている、というのはスノーボードでもよくあることですが、ウェイクは映像で毎回自分の滑りを確認するので、それがはっきり数字のように見えてしまう。ごまかしが利かない感じがあります。

実際にやってみて、どうだったか

飛ぶ感覚のところは、たしかに近い

僕がウェイクボードで練習しているのは、内側から外側に向かって飛び出す動きです。

自分の映像を見比べると、良い時と悪い時の差がはっきりしています。

うまくいっていない時は、波を潰してしまっている。踏むタイミングが早すぎて、波の頂点に合っていない。だから高さが出ません。

うまくいっている時は、波に沿って反り上がって飛んでいます。波の頂点に合わせて後ろ足でポンと蹴る。そうすると、その分だけ高さが出る。

早すぎても遅すぎてもダメで、来たところに合わせて踏む。合った時だけ高さが返ってくる。

空中での身体の使い方も、しゃがんで入って空中で足を伸ばしきるか、蹴った後に足を引きつけるか、で全然変わります。足を引きつけるとグラブしやすくなる。このへんの話も、スノーボードをやっている人には通じる話だと思います。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

逆足の練習ができる

普段は左足前ですが、右足を前にした逆のスタンスでも練習しています。

ただ、これを「だからスイッチの練習に最適です」とまでは言い切れません。実際、僕もまだ練習しているところです。少なくとも、逆足で立つ機会を夏の間にも作れる、というのは事実として言えます。

実際に、乗れてしまう人がいる

これは僕が滑った話ではなく、見た話です。

ウェイクボードしかやったことがない人が、初めてスノーボードをやるところを見たことがあります。

本人は最初から「たぶんいける」と言っていました。ウェイクをやっていれば、5分やれば多分できると思う、と。正直、こっちはそこまでとは思っていませんでした。

実際にやってみたら、乗れてしまった。ちゃんと滑っていて、びっくりしました。

もちろん、雪の状態や場所の条件はあります。それでも、初めて雪の上に立った人が、あそこまで滑れるのか、というのは僕にとって印象的でした。

逆に言うと、それくらいには身体の使い方が重なっている、ということだと思います。上手くなるかどうかとは別の話ですが、板に横向きに乗って進む、という部分の壁は、たしかに一度越えていると乗り越えやすいのかもしれません。

ただしこれは、僕が見た一つのケースです。全員がそうなるとは言えません。

まとめ

  • 板に両足を固定して横向きに乗る、という構造は同じ。スノーボードと全く同じビンディングを付けて乗るタイプの板もある
  • 立ち上がる時に、腕を曲げて縮こまる、下を見る、という失敗が出る。力に対して身体をどう置くかが最初の関門になる
  • エッジを入れた分・踏んだ分だけ力が返ってくる、という関係は、はっきり体感として重なる
  • 波の頂点に合わせて後ろ足で踏む、というタイミングの取り方が高さを決める。空中で足を伸ばすか引きつけるかで変わるところも同じ
  • 決定的に違うのは、船に引っ張られる力が常にあること。ロープのテンションの使い方は、スノーボードには無い要素
  • 水面の状態によって、その日にできる練習の種類が変わる
  • 逆足で立つ機会を、夏のあいだにも作れる
  • ウェイクしかやったことがない人が、初めてのスノーボードで乗れてしまうのを実際に見た。ただしこれは一つのケースで、全員がそうなるとは言えない
  • 僕自身もまだ練習中で、空中でバランスを崩して落ちることもあります。「これをやればスノーボードが上手くなる」とは言えませんが、重なっている部分は確かにある、というのが今のところの実感です

他の競技とスノーボードの話

スノーボードと他の競技のつながりについては、ほかにもこんな記事を書いています。


自分の場合はどうなのか

ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。

実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。

内容や日程の相談だけでも大丈夫です。

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もっと踏み込んだ話

ここには書けない実際の事例や、細かいところはメンバーシップのほうで話しています。

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