キッカーに向かってアプローチしている途中で、頭の中ではもう回るつもりでいる。
なのに、リップが近づくと体が固まる。抜ける瞬間に「やっぱりやめとこう」がよぎって、気づいたらまっすぐ飛んで降りている。
そういう経験はありませんか。
ジャンプでスピンを入れたい。でも、怖い。リラックスして行こうと決めていたはずなのに、いざとなると力んでしまう。終わってから「なんで今いかなかったんだろう」と、自分にがっかりする。
今回は、そんな「キッカー初心者がスピンに挑戦する」場面をそのまま撮った動画をもとに書きます。挑戦したのはバックサイドの360、右回りの横回転です。
上手くいった話をしたいわけではありません。ビビるし、力むし、思った通りには動けない。その様子をできるだけそのまま書きます。今まさに同じところで止まっている人にとっては、むしろそっちのほうが役に立つと思うからです。
キッカー初心者が最初のスピンを選ぶとき
今回の動画は、前回のチャレンジ動画に引き続いての挑戦です。第1弾を見てくれた方は流れが分かると思います。
この回で最初にはっきりさせたのは、「縦回転はやらない」ということでした。
理由はシンプルで、トランポリンだけで縦回転までもっていくのは無理だと判断したからです。トランポリンで練習できることはあります。ただ、それだけで縦の回転を雪の上のキッカーにつなげるのは、さすがに無理がある。
だから今回は、スピン、つまり横回転でいくことにしました。その中でもバックサイドの右回り、360です。
「今ある知識」はどこまでか
挑戦の前に、自分の手持ちを確認しています。
動画の中で話している範囲でいうと、今ある知識は、抜けのことと、体の入れ方のことくらい。言い換えると、それだけの状態でバックサイド360に向かっていく、ということです。
ここは正直に書いておきたいところです。
キッカーでスピンをやろうとすると、つい「全部分かってから挑戦しよう」と思ってしまいがちです。でも実際には、知っていることは限られていて、その手持ちで1回1回飛んで確かめていくしかない。動画はまさにその状態から始まっています。
いきなりだと心の準備が追いつかない
もうひとつ、動画の中でかなり正直に出ているのが、心の準備の話です。
この挑戦は、自分の中で「このくらいの時期から始めよう」とぼんやり考えていたタイミングより早く、いきなり始まる形になりました。心の準備もなにもない状態です。ストレスは相当なものでした。
キッカーで新しい技に入るとき、気持ちの準備ができているかどうかは、思っている以上に大きいと僕は感じています。体が動くかどうかの前に、「行く」と決め切れるかどうか。そこで止まっている人は多いのではないでしょうか。
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ジャンプでビビる・力むのはなぜ起きるのか
ここからが動画の中心です。
実際にキッカーに入ってみて、何が起きたか。一言でいえば、ビビりました。
抜けの手前で体が止まる
アプローチまではいける。でも、ジャンプのところで向けかけたのに、またビビってしまった。動画の中でそう言っています。
一度だけではありません。「また」です。
自分のことを「チキン」と言ってしまうくらい、何度もそこで止まりました。見ている側からも「見てて怖い」「ハラハラする」という声が出ています。
これを読んでいる人の中にも、同じところで止まっている人がいると思います。回るつもりで入って、最後の最後で体がやめてしまう。
ここで伝えたいのは、それは珍しいことでも、恥ずかしいことでもないということです。新しい回転を入れるとき、抜けの手前で体がブレーキをかけるのは、動画を見てもらえば分かる通り、普通に起きます。
リラックスして行ったのに、なぜか力む
もうひとつの壁が、力みです。
動画の中で、リラックスして行ったつもりなのに、なぜ力んでしまったのか、という振り返りが出てきます。
これ、かなり共感してもらえるのではないでしょうか。
「力を抜こう」と頭で決めて入っても、体は勝手に固くなる。
頭で決めたことと体がやることがずれる。キッカーでスピンをやろうとすると、このずれがはっきり出ます。
バックサイド360はそもそも難しい
そして前提として、バックサイドの360は難しい技です。動画の中でも、B3はいつも難しい、という話が出ています。
だから、ビビったり力んだりするのは、技の難しさを考えれば自然なことでもあります。できない自分を責める前に、「そもそも簡単なことをやろうとしているわけではない」と一度置いてみてもいいと思います。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
ターンしながら回るという考え方
挑戦の途中で、横から声がかかる場面があります。
その中で出てくるのが、「ちょっとまくりながら、ターンしながら」というイメージです。背中の向き、リップの使い方についても言葉が出ています。
ここは動画の中でも短いやりとりで、細かい理屈まで説明しているわけではありません。なので、この記事でも勝手に手順に分解することはしません。
ただ、スピンを「空中で急に回すもの」ではなく、「ターンの延長」として捉える言葉が出てきたこと自体が、ひとつのヒントになると僕は思っています。普段の滑りでやっているターンと、キッカーでのスピンが、まったく別物ではないかもしれない。そういう見方です。
実際にどう体を使っているかは、ぜひ動画で見てください。言葉より、映像のほうが伝わる部分です。
何回でできたのか、は動画で
結果をここで文章にしてしまうと、動画を見る楽しみがなくなるので書きません。それに、回数そのものより、そこまでの過程のほうが大事だと思っています。
ビビって止まる。力んでしまう。難しいと感じる。声をかけてもらって、もう一度入る。
その繰り返しの中に、キッカーでスピンを始めたい人が「自分だけじゃないんだ」と思える場面がたくさんあります。
同じところで止まっている人へ
キッカーで新しい技に挑戦するとき、上手い人の完成した映像だけを見ていると、どうしても「自分はなんでできないんだろう」と思ってしまいます。
でも、完成形の手前には、今回のような場面が必ずあるはずです。抜けの手前で止まる。リラックスしようとして力む。またビビる。
そこで止まってしまうことを、あまり重く受け止めすぎなくていいと思います。今ある知識で、1回ずつ飛んで、確かめていく。この動画でやっているのは、結局それだけです。
まとめ
- 今回の挑戦は、前回のチャレンジ動画に引き続き、キッカーでのバックサイド右回り360
- トランポリンだけで縦回転は無理と判断し、横回転のスピンを選んだ
- 手持ちの知識は、抜けと体の入れ方くらい。その状態からのスタート
- いきなり始まった挑戦で、心の準備が追いつかずストレスは大きかった
- ジャンプの手前で何度もビビって止まった
- リラックスして行ったつもりでも、なぜか力んでしまった
- バックサイド360はそもそも難しい技。できないことを責めすぎなくていい
- 「まくりながら、ターンしながら」という言葉がヒントとして出てきた
- 何回で決まったのかは、ぜひ動画で確かめてください
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。
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