板を選ぶとき、何を参考にしていますか。
プロが使っている板。メーカーの人が勧めていた板。ライダーが「これいいよ」と言っていた板。ショップの店員さんが選んでくれた板。
たぶん多くの人が、そういう誰かの意見を頼りにしていると思います。僕もそうでした。
でも最近、それは自分の上達にとってあまり意味がないんじゃないか、と思うようになりました。今回はその話をします。
上手い人の「この板がいい」が初心者に当てはまらない理由
プロやライダーは、僕らよりもはるかに上手い人たちです。
その人たちの感覚で「この板がいいですよ」と言われても、その感覚は自分とかけ離れたレベルのものです。体の大きさも、パワーも、神経の使い方も違う。上手い人には、こっちの体がどう動くのか、どこが動かないのかまでは分かりません。
だから、自分とレベルが離れすぎた人の感覚を頼りに道具を選ぶのは、正直ほとんど当てにならないと思っています。
上手い人は、どんな板に乗っても同じような滑りができます。板が多少合っていなくても、自分の技術で何とかしてしまう。
でも僕らはそうはいきません。道具が変われば、できることもやりたいことも変わってしまいます。
僕自身、スノーボードがそこまで上手いわけではありません。それは自分でもちゃんと分かっています。だからこそ、僕と同じくらいか、それより練習中の人にとっての板の話ができると思っています。
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硬くて長い板と柔らかくて短い板を同じ日に乗り比べた
実際に、両極端な2本を乗り比べてみました。
場所は白鳥高原です。同じ日、リフトの1本目、2本目と続けて乗ったので、ゲレンデの状況はほぼ同じです。滑ったコースは少し違いますが、どちらもジャンプを入れたり、地形を飛んだりしています。
1本目はナイトロのビースト、154cm。ライダーモデルで、15m、20mのキッカーをボンボン飛んでぶっ飛ばすような板です。かなりいい板で、高級ボードです。
2本目はデスレーベルのブラックフラッグ、148cm。こちらはめちゃくちゃ柔らかい板で、のんびりグラトリをしながら滑る用だと思います。形状はたぶんハイブリッドキャンバーです。
硬くて長い板ではスピンが回せなかった
まず硬い方です。
スピンが回せませんでした。動きも固くなります。これは無理だな、体重を10キロぐらい増やさないと、と思いました。
ただ、高さだけは出ます。オーリーで高さを出すと、フラットに落ちても平気な気がするし、テール着地も余裕という感じでした。死ぬほどスピードを出せば、たぶん楽しい板だと思います。
この板では、スピンは1回も回していません。グラトリもほぼやっていません。
やらなかったのではなく、できなかったんです。板を曲げられないので、つまらないし面白くない。正直そう感じました。
柔らかくて短い板は白鳥高原との相性が1位
次に柔らかい方です。
乗ってすぐ、柔らかいのが分かりました。板をガンガン曲げられるし、グラトリっぽいこともできました。短いからなのか、エッジもやたら抜けます。
僕の体重とパワー的には、もう少し長い方が面白いかなとは思いました。でも、グラトリをやりたい人や、初めてやる人にはすごくいいと思います。
ジャンプしてスピンもしてみました。初めて乗る板で、普段と違うセッティングなのに、小さいキッカーにゆっくり入ってポーンと回すくらいのことは、僕のレベルでも普通にできました。
女性でも乗れると思うし、体重が軽い人や背の小さい人、体重が重くても遊びを上手になりたい人にはこれをおすすめしたいです。今のところ、白鳥高原との相性では僕の中でこれが1位です。
ただ、弱点もあります。ジャンプのサイズが上がると、エッジが雪に噛んでいる感じが薄くて、だいぶ怖い。スピードを出したときのターンの安定感も、硬い板に比べると少ないです。
それでも4m、5mぐらいのキッカーなら全然回せていました。
板が変わると滑りたいコースも遊び方も変わる
乗り比べてみて一番感じたのはここです。
中級者の僕でさえ、板を履いた瞬間に違いが分かりました。滑り出したときの板のしなり、重さ、切り返しの速さ。そういう感覚は、少しぐらいなら僕にも分かるわけです。
そうなると、この板だったらこういう動きをしたい、という気持ちが出てきます。
柔らかくて短い板のときは、ものすごくゆっくり滑っていました。それでも面白い。あまりスピードは出ないけれど、緩くて広いところを滑りたくなりました。
硬い板のときは、とにかくスピードを出したくなりました。急斜面に行きたい。板を曲げて遊ぶというより、スピードを出して切りたい。思いっきり入れたい。そんな滑りになりました。
同じ人が、同じ日に、同じスキー場で乗っても、ここまで差が出ます。今回は両極端な2本だったので、よりはっきり分かれたんだと思います。
普段の自分はどっちの滑りがしたいのか。それを考えながら動画をもう一度見てもらうと、かなり参考になると思います。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
小さいスキー場では硬い板はほとんど力を発揮しない
もちろん、スキー場が変われば結果も変わってきます。
白鳥高原のように、ハードな斜面が少なめのスキー場でやると、今回のような結果になります。
僕の結論はこうです。
硬くて長い板は、小さくて狭いスキー場、スピードが出にくいスキー場、斜面の難易度が優しめのスキー場では、ほぼ力を発揮しません。これはたぶん、ライダーでもプロでも、誰に聞いても同じことを言うと思います。
逆に、大きいスキー場で10m、15mのキッカーを飛ぶなら、硬い板の方が絶対にいいです。スピードを出して飛ぶなら、硬い方がいいのはもちろんです。
柔らかい板だとジャンプや回転ができない、わけではない
柔らかい板だと物足りないんじゃないか、と思う人もいるかもしれません。
でも、僕が知っている上手い人は、僕が普段乗っている板よりも柔らかい板に乗っています。それで大きいキッカーを飛んで縦回転をやったり、この前はフロント9、2回転半をやっていました。
柔らかい板だからできない、ということは全然ないんです。
「ミッドフレックス」でも初心者には硬すぎることが多い
もう一つ気をつけてほしいことがあります。
最近は、真ん中ぐらいの硬さの「ミッドフレックス」が流行っていて、みんなそれに乗っていると思います。
でも全体的に見ると、ミッドフレックスは全然ミッドじゃなくて、硬いです。
今シーズン、レッスンに来てくれた人や、いろんなお客さんの板を実際に触らせてもらいました。その結果分かったのは、「このメーカーではこれが一番柔らかいです」という板に乗っている人でも、全然硬いということです。全然初心者向けじゃないよね、という板ばかりでした。
量販店の店員さんの「初心者向き」をそのまま信じない
だから、ショップの店員さんの言葉には本当に気をつけてください。プロショップはまた別ですが、量販店でスノーボード担当をしていて、ちょっと詳しいくらいの人は、あなたの上達の目線で考えてくれているわけではありません。
「この板はこういう動きがしやすいですよ」「グラトリ向けですよ」「ジャンプ向けですよ」とは言ってくれるかもしれません。
でも、その硬さがどのくらい硬いのか。この硬さで小さいスキー場を滑ったらめちゃくちゃ難しいよね、とか。この人はそんなに脚力がなさそうだから合わないな、とか。そういうことはほとんど考えられていません。
女性の方も同じです。ウィメンズモデルで「これが初心者向きです」と言われた板が、バチバチに硬いこともあります。
騙しているつもりはないんだと思います。だからこそ、自分で確かめてほしいんです。
この板は自分に合っているのか。そもそも、こんなに硬いものを自分は曲げられるのか。そこを考えてください。
硬い板が向いている人・向いていない人
ここは言い切ります。
練習中の人、これから上手くなりたい人は、硬い板に乗らない方がいいです。グラトリをするにしても、乗らない方がいいです。
硬い板が向いているのは、めちゃくちゃパワーのある若い人や、ライダー、大会に出るようなレベルの人です。セブンを回します、ダブルをやります、10m以下のキッカーなんか飛びません、というレベルの人向けです。
そうじゃない人、3m〜4mぐらいのキッカーで3を回せればいいかな、という人には、硬さも長さもいりません。
僕は自分のことを上手いとは思っていません。でも、僕より練習中の人はたくさんいると思います。そういう人は、僕より硬い板には乗らない方がいい。硬い板に乗っても上手くはならないと、僕は思っています。
好きで乗るのはいい。ただ上達には繋がらない
もちろん、硬い板が好きで乗るならそれでいいと思います。
僕もリブテックはかっこいいと思っています。でもこの前借りて乗ってみたら、自分のパワー的にも滑り方的にも、硬さが合わないと感じました。一番柔らかいモデルでもキツかったです。今のモデルに乗ったら、また違う感触なのかもしれませんが。
僕がリブテックに乗るなら、体重を増やして、足も上半身も鍛えて、パワーのある体にしてからじゃないと厳しいな、と感じました。
好きで乗るならいい。でも、上達にはつながりにくい。それだけは覚えておいてほしいです。
試乗会の季節なので、ぜひ柔らかい板を探してみてください。
まとめ
- プロやライダーなど、自分とレベルがかけ離れた人の感覚で板を選んでも当てにならない
- 上手い人はどんな板でも同じように滑れるが、僕らは道具でできること・やりたいことが変わる
- 白鳥高原で両極端な2本を乗り比べたら、硬くて長い板ではスピンもグラトリもできず、柔らかくて短い板では小さいキッカーで回せた
- 硬くて長い板は、小さく狭いスキー場や斜面が優しめのスキー場では、ほぼ力を発揮しない
- 柔らかい板でも、上手い人は大きいキッカーで回転技をやっている
- 流行りのミッドフレックスや「一番柔らかいモデル」でも、初心者には硬いことが多い
- 店員さんの「初心者向き」を鵜呑みにせず、自分がその板を曲げられるかを確かめる
- これから上手くなりたい人は、硬さと長さより柔らかい板を選んだ方がいい
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。
- LINE公式 → https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=351olsrh
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内容や日程の相談だけでも大丈夫です。滑っている動画を送ってもらえれば、それを見たうえでお返しします。
雪の上のプライベートレッスンは、扱っている内容(カービング・ジャンプ・キッカー・スピン・道具選び)と料金をこちらにまとめています。
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夏のあいだのオフトレとしてやっているトランポリンのプライベートレッスンは、内容と料金をこちらにまとめています。
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もっと踏み込んだ話
ここには書けない実際の事例や、細かいところはメンバーシップのほうで話しています。
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