ターンの最後で、板が抜けてしまう。
そういう経験、ありませんか。
途中まではいい感じに乗れているのに、最後のところでエッジが外れてずれる。次のターンにつなげたいのに、そこで一回リセットされてしまう。自分の技術が足りないのか、道具が合っていないのか、どちらなのか分からない。
今回取り上げる動画は、ちょうどその疑問に近い場面を扱っています。ビンディング「CV」を試した人が、普段使っている「XF」と比べて「正直、調子が良すぎた」と話す内容です。
ただ、この動画が面白いのは「CVが最高でした」で終わらないところです。同じ斜面で、もう一人は「XFのほうが楽に滑れる」と感じていた。そこから「板の違いなのか、体のタイプの違いなのか、ビンディングなのか」を二人で探っていきます。
この記事では、その中身を順番に整理していきます。
CVとXFはスペック上そこまで変わらないはず
まず前提として、動画の中では「CVとXFは、スペック上はそんなに変わらないはず」と話されています。
違いとして挙がっていたのは2つです。
- サイズが少し違う
- フレックスが1段階くらい違う
つまり、カタログを見比べただけなら「大きくは変わらない」と思える2本です。
それなのに、CVを試した側は滑り終わった直後にこう言っています。
「どんなスピードを出していても、抜ける気配がなかった」 「板が別物に変わった」
一緒にいた人も「俺でさえ、引くぐらい違いを感じている」と話していました。スペック表の差と、実際に乗ったときの体感の差が、かなり離れていたということです。
夕方の荒れたバーンでも抜けなかった
この感想が出たタイミングも大事なところです。
撮影していたのは夕方で、本人たちも「午前中よりも絶対に悪くなっているはず」と言っています。斜面は結構ボコボコになっていた、とも話していました。
そんな状況で、CVを試した側は「XFに比べて(崩れが)起きない」と感じています。XFだと「ガタガタガタってなっちゃう」けれど、CVのほうが楽だ、と。
もともとこの人は「この斜面ですら急だなと思っちゃうぐらい」だったそうです。そのうえで「本当に抜ける気配が一切なかった」と言っているので、本人にとってはかなり大きな変化だったことが伝わってきます。
同じビンディングでも「楽」に感じる人が逆になる
ここからが、この動画の一番面白いところです。
CVを試した側は「CVのほうが楽」と感じた。一方で、もう一人は「XFのほうが楽に滑れる」と感じている。
同じ道具について、二人の感想が正反対になっていました。
動画の中でも「これ何なんだろうな」「不思議ですね」という言葉が出てきます。
僕がここを読んでいて大事だと思ったのは、「どっちのビンディングが良いか」という話になっていないことです。人によって感じ方が逆になる。だったら、その原因はどこにあるのか、という方向に話が進んでいきます。
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カービングの抜けは板・体のタイプ・ビンディングのどれで起きているのか
二人が立てた仮説は、大きく分けると次の2つでした。
- 板の違いによって起きているのか
- 体のタイプの違いによって起きているのか
もう一人は「体のほうな気がする」と話しています。理由として挙げていたのは、こういう点です。
- 可動域が全然違う
- 体つきも少し違う
- 重心のバランスも違う
それぞれ「正反対レベルで違う気もする」とまで言っていました。
XFを付け替えて試すという切り分け
そこで二人がやったのが、ビンディングの付け替えです。
CVを試した側の板に、もともと付けていたXFを付けて滑ってみる。動画の中では、結果ごとにこう考えていました。
- XFでも調子が良かった場合は、もっと分からなくなる
- その場合は、体の違いが一番濃厚になる
- XFで「あれ、ずれる」となったら、ビンディングかもしれない
- 時間があれば、CVをもう一度戻して滑りやすくなるかも確かめたい
「これで分からない可能性もある」「むしろその可能性のほうが高い」とも話していて、一回で答えを決めつけない姿勢が見えます。
道具の違いを確かめたいとき、1か所だけ変えて滑ってみる。シンプルですが、自分の道具を見直すときにも使える考え方だと思います。
カービングターンの最後で抜けずに次へつなげられた
付け替えたあとの滑りを見て、もう一人は「調子良さそうだね」「すごくいいカービングターンだった」と声をかけています。
滑った本人の言葉を拾うと、こうです。
- 「ビッテリーっていうのかな、分からないですけど」
- 得意なのはトーサイドのほう
- 手をつくことはあっても、だいたい最後に抜けていることがある
- それがちょっと耐えられていて、そのまま次に持っていけた
- すっと立ち上がれるような感じができていた
さっきのCVと比べると「抜けるかもという気持ちはありましたね、ちょっと」とも言っています。ただ「抜けるかもと思うけど、抜けない」。
見ていた側からは「明らかに、いつもしないロングターンになっていた」という言葉もありました。
中古の板でも感じた「板の性能」
ここでもう一つ出てきたのが、板そのものの話です。
この板は中古で買って、ワンシーズンがっつり乗ったもの。前の持ち主がどれだけ乗ったかも分からない。エッジのチューンも特にしていない、と話されています。
それでもちゃんと効いた、ということで「板の性能的な部分もやっぱりあるのか」「めっちゃ感じる」という流れになっていきます。
体の変化なのか、ビンディングなのか、板なのか。ひとつに絞りきれない、というのが正直なところのようです。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
板の硬さと跳ね方、ジャンプや回転への影響
後半では、もう一人がその板に乗って滑っています。
感想は「板がすごい」。言葉にしてほしいと言われて、大げさに言うと、と前置きしたうえでこう表現していました。
「ホチキスみたいなものを、ぶっ刺している感覚。エッジがね」
そして、こう続けます。
- 弱い力でグッとかかるから、簡単に跳ねる
- 硬さで言えばグラトリしにくそうなボードなのに、全然しやすそう
- めっちゃしなるけど、パコンって跳ねるからポップがすごい
- 同じ力でやっても、自分の板だとあんなに跳ねられない
カーボンが入っているのでは、という話も出ていましたが、これは「多分」「と思う」という言い方で、確かめた話としては語られていません。
回転やアプローチで「刺したまま踏む」動作がいらない
ジャンプの回転についても話が出ています。「これで回転、できそう」と。
理由として挙がっていたのは、こういう感覚です。
- 簡単に止まる
- ためが作りやすい
- アプローチで、刺したまま踏むような動作がいらなそう
- 板がちょっと立っていれば、あとはずれない
ブレーキをかけたときも「一回ここで止まってから、ずれている感じ」と表現していて、普段の止まり方とは音も違う、と話していました。
去年乗ったときは「跳ねる」しか分からなかった
印象的だったのは、実はこの板に去年も乗ったことがある、という話です。
そのときは「めっちゃ跳ねるな」ということしか分からなかった。それが今回乗ったら全然違った。
その理由として挙げていたのは3つです。
- 自分が変わっている
- ビンディングも変わった
- ブーツもそのときから変わった
同じ板でも、乗る側の体や、組み合わせる道具が変わると、感じ取れるものが変わる。今回の動画全体を通して、この話が何度も形を変えて出てきます。
板のウエスト幅と足のサイズは合っているか
もう一つ大事な話が、板の太さです。
乗った側は、リフトの頂上では「やっぱり太いな」と言っていたそうです。でも滑っていくと「太いという感じはない」「ウエストの太さは全く気にならない」と話しています。
曲がり方の違いについても、こう説明していました。
- 自分の板は、立てたなりに曲がっていく
- 自分から踏んでいけば、その分は曲げられる
- この板は、立てた瞬間に普通ではありえない方向へ曲がっていこうとする
一方、もう一人は「俺がこれに乗ったら、すごい角度で曲がっていく」と話します。そこで出てきたのが「それ、ウエストじゃない?」という言葉でした。
足のサイズに合った板選びをしないと、自分の最大限が出せない。動画の中ではそういう結論に向かっていきます。
全力で踏み込まなくても板が跳ねてくれる
乗った側が「感動したところ」として挙げていたのは、ここでした。
自分の今の板は「テクノロジーがない」ので、今まで全部、自分のパワーで頑張ってやっていた。全力で踏み込んで、バーンと蹴らないとできなかった。
それが、板の力を使ってサイドカーブを使って、ピーンと軽く跳ねてしまう。
最後は「とりあえず板を買おう」と笑いながら話していました。ただ、足のサイズが小さめなので「ウエストが狭いのを探さないといけない」「ちょっと大変かもね」とも言っています。逆に、今回の太さで調子がいいなら、このくらいの太さの板はたくさんあるので相談しよう、という流れで動画は終わります。
まとめ
- CVとXFは、スペック上はサイズとフレックスが少し違う程度と話されていた
- それでもCVを試した側は、夕方の荒れたバーンでも「抜ける気配がなかった」と感じていた
- 同じ斜面で、もう一人は「XFのほうが楽」と感じていて、感想が正反対になった
- 原因として、板の違い・可動域や体つきや重心バランスといった体のタイプの違い・ビンディングの違いが挙げられていた
- XFを付け替えて試すなど、1か所ずつ変えて切り分けていた
- 付け替えたあとも、ターンの最後で抜けずに次へつなげられる場面があった
- 後半の板は「弱い力で簡単に跳ねる」「刺したまま踏む動作がいらなそう」と表現されていた
- 去年は「跳ねる」しか分からなかった板が、体・ビンディング・ブーツが変わったことで違って感じられた
- 足のサイズに合ったウエスト幅の板を選ばないと、自分の最大限が出せないという話で締めくくられていた
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。
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