大会にエントリーしたはいいけど、当日が最悪の天気だった。
そういう日、ありませんか。
「雨1mm」って予報を聞いていて、まあその程度なら滑れるだろうと思っていた。それが朝起きたら、台風みたいな雨が降っている。
会場に着いても気持ちは切り替わらない。中止にならないかな、返金されないかな、と考えてしまう。部活が雨で中止になればいいのに、と思っていたあの感じに近いです。
僕もそういう日を経験したことがあります。その日どういう気持ちで、何を考えて、結果どうなったのか。今回はそれをそのまま書いてみます。
当日キャンセルの返金は、たいてい期待できない
まず現実的な話から。
朝いちばんに頭をよぎったのは「今から参加費の返金ってできるんだっけ」でした。当日キャンセルで返ってくるという話は、聞いたことがない。
さらに大会の要項を確認したら、運営側の事情で延期・中止になった場合でも返金は一切しません、と書いてありました。
運営側の事情でさえダメなのか、と。
とにかく参加費は返さない、という意思だけははっきり伝わってきます。エントリーする側としては、そこまで書いてあるものだと思って申し込むしかない。
雨で気持ちが折れても、逃げ道は用意されていないわけです。
当日、予定は簡単に変わる
大会って、事前に配られたタイムスケジュール通りに進むものだと思いがちです。
でも実際は、けっこう変わります。
その日は朝7時半の時点で、25分前に予定が変わったと知らされました。僕の前のカテゴリー、オープン男子という一番人数が多いところが縮まって、時間が短縮されたんです。
44人を一気に終わらせる。コース整備もなし。
44番目の人は本当にお疲れさま、という状態です。天気も天気なので、泥くさい試合になるのは目に見えていました。
練習の本数も削られる
僕への影響もありました。
10時55分から説明を5分受けて、そのあと公開練習が2本もらえるはずだった。それが1本に減りました。
そして本番。要項には2本と書いてあったんですが、赤文字で「1本または2本で終了する可能性もある」とも書いてある。どちらになるかは当日にならないと分からない。おそらく1本だろうな、という空気でした。
つまり、練習1本・本番1本かもしれない。
これはプロでも難しい状況だと思います。1本で決めなきゃいけないというのは、単純にミスが許されないということなので。
前回出た大会でも似たようなことがありました。練習が丸1日×2日もあったのに、2日目は朝からずっとガス(霧)で何も見えず、キッカーも開かない。当日は雪が降って、結局全員まとめて1本で、という流れになりました。
だから、こういうことは珍しくないんだと思います。
受付を済ませて、あとは3時間待ち
とりあえず受付には行きました。
歩いている分にはまだ平気だな、くらいの雨。でもこれから、この雨の中でスノーボードを履いて、12mと14mのキッカーに2発。雨が顔にかかった状態で飛ぶことになる。
サイズも全然小さくなっていませんでした。
ゼッケンは82番。参加賞でヨーグルトをもらいました。この天気の中でやることを考えたら、何か入ってるんじゃないかと疑いたくなるくらいの気分です。
そこから自分の出番まで、およそ3時間。
3時間、この天気で滑ってもしょうがない。一度戻って体を立て直そう、という話になりました。
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「練習なし・アップなし・ぶっつけ本番」を選んだ
ここが、この日の一番の判断でした。
戻って向かった先は、ゲレンデではなくカフェです。
理由はいくつかありました。コンディションが悪くて視界も良くない。板は滑れば滑った分だけ汚れるので、本番に取っておきたい。そういう状況を全部足して、練習なし・アップなし・ぶっつけ本番で行くことにしました。
予定変更で練習は1本しかない。その1本に向けた練習はしない、という判断です。
もちろん、これには突っ込まれました。濡れたくないだけだろう、だるいだけだろう、と。
……まあ、正直に言えば、滑りたくないという気持ちはありました。雨の日はカフェでまったりでしょう、という気分にもなっていました。
ただ、それだけでもなかったんです。落ち着いた空間で集中力を高める、というのも練習のうちだと思っています。スノーボードの練習って、滑ることだけじゃない。カフェでコーヒーを飲みながら、そこからもう始まっている。
コンビニでレッドブルを買っていけばよかったんじゃないか、とも言われました。それはそうかもしれない。でもそれだと落ち着かない気がしたんです。
雨の中で無理に体を動かして、板を汚して、寒くなって、それで本番のパフォーマンスが上がるのか。上がらないなら、やらない方がいい。そう考えました。
ところが、競技説明でひっくり返る
カフェで余裕をこいていたら、競技説明でひっくり返りました。
僕はその日、3セクションだと思って来ていたんです。セクションが減ると聞いたとき、てっきりジャンプ・ジャンプの2セクションになるんだと期待しました。
減ったのは、ジャンプの方でした。
結果として、ジブの比率が大きくなった。ダウンレールなんて入ったことがないのに、です。
だからもう、ジャンプ全振りで行くしかない。正直、きついと思いました。
こういうところが大会の怖さだと思います。自分の得意な方が残るとは限らない。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
本番、ジブがダウンすぎる
コースに出てみると、視界がほとんどありません。何も見えない。
リーシュコードを巻いてきているのに、その状況です。キッカーは上手いです、と言うしかない。
ジブがダウンすぎる。すごくゆっくり行ったつもりでも、ボーンと持っていかれる。
意外と削れないな、とも思いました。コンディションが悪い時の方が、そうなるところはあります。
とにかく早く終わりたい、という気持ちが強かったです。もう滑りたくない、次で終わりにしたい、怖い、食らう前に帰りたい。レールがやばいので、なんとか当てるだけで精一杯。飛んでいっても、ポコンと弾かれる感じです。
それでも解説の人が「ティップティップ」と言ってくれていたので、認められたんだと思うことにしました。抜けとかはもう適当すぎて自分でも分からない。次はもう少し踏み込んで、こけたとしてもグラブを取りに行こう、と決めました。本番の2本目に乗れればいいかな、というくらいの構えです。
結果は3位
結果として、2本目でしっかりグラブしてメイクまで持ってこられました。
とりあえず目的は達成したかな、というところです。何もしなかった自分が何点もらえるのか、というのも楽しみのひとつでした。
後ろの人は1本目にグラブがなかったらしく、2本目もこけていた。僕は一応グラブして、フロント7も立っている。だからティップの点数次第では、もしかしたら勝っているかもしれない。表彰台はいけるんじゃないか、という感触はありました。
実際、3位でした。
表彰台に並んだのは3人。つまり3位は最下位です。アンケートを取ったら、7割近くが「3位中3位は最下位なんだから、お前が奢れ」という結果になりました。
前回の大会の時とは違って、「ワンチャンあるかも」という楽しみ方ができた大会でした。
大会に出てみて分かったこと
やってみて分かったことがいくつかあります。
天気は選べません。予定も当日に変わります。得意なセクションが残る保証もない。
その中で、自分がその日どこにエネルギーを使うかは選べる。僕はそれを、雨の中の練習ではなく、本番に置きました。それが正解だったかどうかは分かりません。
「何もしなかった自分が何点もらえるのか」を楽しみにできたのは、けっこう良かったと思います。緊張で潰れるより、そのくらいの構え方の方が本番は動ける気がします。
まとめ
- 当日キャンセルの返金は期待できない。運営側の事情による延期・中止でも返金しないと明記されている大会がある
- タイムスケジュールは当日に変わる。練習2本が1本に減ることもあるし、本番も「1本または2本で終了する可能性もある」と要項に書かれていることがある
- 練習1本・本番1本になれば、プロでも難しい状況。1本で決める前提の組み立ても要る
- 前回の大会でもガスで練習ができなかった。天気に予定を潰されるのは珍しいことではない
- コンディションが悪い日は、雨の中で無理に滑るより本番に力を残す選択もある。板を汚さない、集中力を高める、というのも練習のうち
- 減るセクションは選べない。ジャンプが減ってジブ比率が上がることもある
- 板は意外と削れない。コンディションが悪い時の方が、そうなることもある
- グラブを取ってメイクまでは持ってこられた。ただし表彰台は3人で、3位は最下位だった
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
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