キッカーでバックフリップを練習する前に考えたい、ヘルメットと「飛んでいい状況」の判断

キッカーでバックフリップを練習する前に考えたい、ヘルメットと「飛んでいい状況」の判断 滑りの話

ヘルメットを被っているから、ちょっとくらい無茶しても大丈夫。

キッカーに入るとき、心のどこかでそう思ったことはありませんか。

縦回転やバックフリップのような新しい技に挑戦したい。でも怖い。だから頭をしっかり守って、その安心感で思い切って踏み切る。気持ちはよく分かります。

ただ、僕は少し違う考え方をしています。ヘルメットを被ることが悪いと言いたいわけではありません。被るのはいいんです。

僕が伝えたいのは、「ヘルメットを被っているかどうか」よりも先に考えることがある、という話です。

この記事は、前回の動画に来たコメントを受けて撮った、半分ふざけた動画が元になっています。ふざけている部分と真面目な部分がはっきり分かれているので、真面目な部分だけをちゃんと文字に残しておきます。

ヘルメットを被っていればジャンプで怪我をしない?

最初に、よくコメントで言われることから。

「なんでヘルメットしてないんだ」「サングラスでスノーボードしてるのはどうなんだ」。こういう声は本当によく来ます。

確かにヘルメットは頭への衝撃を守ってくれます。そこは否定しません。

でも、一度よく考えてほしいことがあります。

ヘルメットを被っていれば、怪我をしないのか。

僕がヘルメットを被らない一番の理由は、この疑問にあります。

ジャンプの転倒で、頭から落ちることはどれくらいあるか

撮影のとき、一緒に滑っていた人にも聞いてみました。ジャンプを飛んで、頭から落ちたことはありますか、と。

返ってきた答えは「背中側ならあるかな」でした。

背中から落ちたときに、頭まで打つことはもちろんあります。でも、背中からバーンと転んで、頭は打たずに済むこともありますよね。

頭をグッとこらえて止めて、背中で受け身をとって終わる。そういう転び方です。

ヘルメットの重さで、頭と首に負担が来ることがある

ここからは僕自身が実感した話です。

ヘルメットを被ると、その重さのせいで転ぶたびに頭まで持っていかれる。僕はそう感じています。

去年、大会の練習でヘルメットを被って飛んでいたときがそうでした。転ぶたびにバコンバコンと頭を打って、首がとんでもなく痛くなりました。

頭は平気なんです。ヘルメットを被っているので。

でも首は、ヘルメットの重さの分だけ頭が振られやすくなる。そのぶん、今度は首のダメージが大きくなる。少なくとも僕の場合はそうでした。

頭を守ることで、別の場所に負担がいくことがある。これはヘルメットを被っていれば大丈夫、とは言い切れない理由の1つだと思っています。

ヘルメットがないと怖くて飛べないサイズは、まだ飛ばない

もう一度言いますが、ヘルメットを被るのはいいんです。

そのうえで、僕の持論はこうです。

ヘルメットを被らないと怖くてジャンプを飛べないなら、そのジャンプは飛んじゃダメ。

「ヘルメットを被っていないから危ない」という考え方自体が、そのキッカーを飛ぶ準備ができていないサインだと僕は思っています。

ヘルメットがなくても飛べる技術を持ったうえで、そのサイズを飛ぶ。僕はそういう順番で考えています。

怖さをヘルメットで消して飛ぶのではなく、怖くないところまで技術を上げてから飛ぶ。かなり厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、自分の身を守るための考え方です。

{video}

バックフリップや縦回転をやるかどうかは「状況×技術」で判断する

じゃあ、どうやって飛ぶかどうかを決めるのか。

僕の場合は、無理だなと思うときはやらない。怪我をしない状況だな、これなら大丈夫だなと思えたときに、新しい技をやったり縦回転を打ったりします。

たとえば、晴れていて雪が柔らかい日。

そういう日に、その環境と自分の技術を照らし合わせて「今日のこのコンディションなら、自分の技術で行ける」と判断できたら挑戦する。

大事なのはこの判断のほうで、ヘルメットを被ることではない。僕はそう考えています。

ヘルメットもプロテクターも固めて、それでも怪我をする人がいる

ヘルメットさえ被っていれば怪我をしない、と思っている人は多いと思います。

でも毎年いるんです。

ヘルメットもプロテクターもガッチガチに固めてジャンプを飛んで、まくられて、背中からバコンと落ちる。動けなくなって、救急車を呼んでください、となる人。

僕たちのいるスキー場でさえ、そういう人はいます。

防具をどれだけ固めても、状況と技術が合っていなければ怪我はします。防具はあくまで「最後に守ってくれるもの」で、飛んでいいかどうかを決めてくれるものではない、ということです。

この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。

バックフリップの基本はストレートジャンプ

ここからは縦回転、バックフリップの話です。

まず基本になるのはストレートジャンプです。

まっすぐ、綺麗に飛べるようになれば、縦回転も結構できてしまう。この動画の中で僕が真面目に言っているのは、ここだけです。

回る前に、まっすぐ飛ぶ。地味に聞こえるかもしれませんが、ここが土台になります。

頭にリーシュコードを巻く「4つのポイント」は冗談です

正直に書いておきます。

前回、「リーシュコードっていらなくない?」という動画を出したら、コメント欄がとんでもないことになりました。

それを受けて、今回の動画では心を入れ替えたということで、リーシュコードを頭に巻いて滑っています。そのうえで「バックフリップの4つのポイント」を紹介しています。

1つ目はストレートジャンプ。

2つ目はリーシュコードの締め具合。

3つ目はリーシュコードについているロゴの向き。

4つ目はイヤーカフを耳にかけること。

2つ目から4つ目は、完全にネタです。ロゴを前にすると気合いが入るとか、イヤーカフでカメラマンの声が聞こえやすくなるとか、そういう話をしています。

実際、一緒に滑っていた人にも頭にリーシュコードを巻いて滑ってもらいました。いつもの滑りより気合いが入っているように見えたのですが、最後は「リーシュコード関係ないわ」という結論が出ています。

なので、この4つのうち本当に持ち帰ってほしいのは1つ目のストレートジャンプだけです。動画は笑いながら見てもらえたら嬉しいですが、頭にリーシュコードを巻けば安全になる、回れるようになる、ということは一切ありません。

キッカーで縦回転に挑戦したい人へ

最後に、この記事で一番伝えたかったことをまとめておきます。

ヘルメットを被るかどうかは、それぞれの判断でいいと思います。被るのはいいことです。

ただ、ヘルメットを被っていることを理由に、自分の技術より大きいサイズに入ったり、コンディションが悪い日に新しい技を試したりするのはやめてほしい。

怖いと感じるなら、その怖さはたぶん正しいです。

ストレートジャンプを綺麗に飛べるようになって、晴れて雪が柔らかい日に、「今日なら行ける」と自分で判断できたとき。縦回転に挑戦するのはそこからでも遅くありません。

まとめ

  • ヘルメットは頭への衝撃を守ってくれるが、被っていれば怪我をしないわけではない
  • ジャンプで頭から落ちたことがあるか聞くと「背中側ならあるかな」という答え。頭をこらえて背中で受け身をとって終わることもある
  • 僕の実感では、ヘルメットの重さで頭が振られやすくなり、首のダメージが大きくなることがあった
  • ヘルメットを被らないと怖くて飛べないキッカーのサイズは、まだ飛ばないほうがいいというのが僕の持論
  • 縦回転や新しい技は、晴れて雪が柔らかい日など「状況と自分の技術」の兼ね合いで判断する
  • ヘルメットもプロテクターも固めて、それでも背中から落ちて大怪我をする人は毎年いる
  • バックフリップの基本はストレートジャンプ。まっすぐ綺麗に飛べることが土台
  • 頭にリーシュコードを巻く「4つのポイント」は冗談で、本当に意味があるのはストレートジャンプだけ

自分の場合はどうなのか

ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。

実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。

内容や日程の相談だけでも大丈夫です。滑っている動画を送ってもらえれば、それを見たうえでお返しします。

雪の上のプライベートレッスンは、扱っている内容(カービング・ジャンプ・キッカー・スピン・道具選び)と料金をこちらにまとめています。

→ https://tomz-service.com/snowboard-lesson/

夏のあいだのオフトレとしてやっているトランポリンのプライベートレッスンは、内容と料金をこちらにまとめています。

→ https://tomz-service.com/trampoline-lesson/

もっと踏み込んだ話

ここには書けない実際の事例や、細かいところはメンバーシップのほうで話しています。

→ https://www.youtube.com/channel/UCdtBxQHTDZz7_s8_fGMow2A/join

コメント

タイトルとURLをコピーしました