スクールに行ったのに、滑りが変わらなかった。
そういう経験、ありませんか。
先生の言っていることは分かった。褒めてもらえたし、なんとなく上手くなった気もした。でも後日、自分の滑っている映像を見たら、行く前とほとんど変わっていない。
教わったことを信じて、繰り返し練習した。この時にこうして、次にこうして、と頭で考えながら滑った。それでも、変わらない。
これ、行った意味あったのかな、と。
僕は今、年に10回くらい滑る普通のスノーボーダーです。昔は4年間、雪山にこもってシーズン90日滑っていた時期があって、その頃は教える側にもいました。今は完全に一般人の側に戻っています。
その両側から見て言えるのは、こうなったときに悪いのはあなたではない、ということです。

「できない自分が悪い」と思ってしまう人がとても多い
実際に話を聞いていて一番多いのがこれです。
先生の言っていることは正しい。だからできない自分に問題がある。もっと練習しなきゃ、もっとスクールに通わなきゃ。
そう考えてしまう。真面目な人ほどそうなります。
でも冷静に考えてほしいんです。スクールって、やり方を聞きに行く場所じゃないですよね。自分が上手くなるために、レベルアップするためにお金を払って行く場所のはずです。
スノーボードに行くだけでも、リフト代も交通費もかかっています。その上でレッスン代を払っている。それだけのハードルを越えて「もっと上手くなりたい」と思って来ている人なんです。
だったら、結果が出ないときに生徒のせいにするのは違う。お金をもらっている側の問題です。
原因は「教え方が1種類しかない」こと
なぜこういうことが起きるのか。構造の話をします。
スクールを受ける人は、全員が違います。
モチベーションが違う。年に何回行けるかが違う。それまでの運動経験が違う。体つきも違う。使っている道具も違う。
それだけバラバラな人たちが来るのに、教える側の引き出しが1つしかなかったら、どうなるか。
その1つがたまたまハマった人は上手くなります。ハマらなかった人は「分からない」で終わります。生徒の側に原因があるわけではなく、単に噛み合わなかっただけです。
やっかいなのは、これを本人たちが気づきにくいことです。
先生の側は、自分の教え方が1種類しかないという自覚がないことがほとんどです。そして生徒の側は「自分の努力が足りない」と思ってしまう。お互いに気づかないまま、噛み合わないレッスンが終わります。
上手い人の感覚は、そのままでは渡せない
もう少し踏み込みます。
スノーボードを教えられるレベルまで上達している人は、その時点で受ける側とはスノボ歴が違います。生きてきた背景も、運動神経も、経験値も違います。

その人の「僕はこういう感覚でやってます」を、そのまま渡されたらどうなるか。
なるほど、上手い人はそういう感覚なんだ。そこまでは分かります。
でも、それを自分にどう反映すればいいのか。本当に知りたかったのはそこのはずです。そこが渡されないまま終わると、「言っていることは分かるけどできない」になります。
情報はもう無料で手に入る時代
昔は、やり方や練習法を知ること自体に価値がありました。検定を取るには何が必要か、それを知りに行く場所としてスクールがあった。
今は違います。
YouTubeを見れば、トッププロや有名ライダーがハウツーを出しています。理論も、練習法も、どういう感覚でやっているかも、探せば無料で出てきます。
だから、無料で見られる範囲の話をされて終わると、何のために払ったのか分からなくなる。お金を払って来た人が求めているのは情報ではなくて、「実際にできるようになった」という結果のほうです。
※検定やプロ資格、競技を目指している人は話が別です。目標がはっきりしているので、選手育成に強いスクールを選べばいい。ここで書いているのは、趣味で上手くなりたい人向けのスクールの話です。
ここまでの内容は、上の2本の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
では、どういうスクールを選べばいいのか
ここからは選び方の話です。
まずプライベートレッスンを受ける
グループとプライベートがあるなら、まずプライベートを選んでください。
値段だけ見るとグループが安く見えます。仮にプライベートが2時間2万円、グループが5,000円だとしたら、グループなら4回受けられる、と考えたくなる。
でも中身を計算してみてください。
グループの2時間を4人で分けると、自分に向けられる時間は単純計算で30分です。さらにリフトに乗っている時間、集合場所まで移動する時間、戻る時間が入ります。実際に自分だけを見てもらえるのは20分くらいかもしれません。
教える側にいたので分かるのですが、1人と4人ではできる内容がまったく違います。同じくらいのレベルで組まれていても、一人ひとりやりたいことは違うので、内容はどうしても薄まります。これは構造上どうしようもない。
プライベートはそのスクールが本気を出したレッスンです。だから、そのスクールが自分に合うかどうかは、プライベートを受けて判断してほしいと思っています。
最低ラインは「現在地・目標・道筋」を一緒に立ててくれるか
プライベートを受けたとして、最低限やってくれるべきことがあります。
- 今の自分がどこにいるのか(現在地の確認)
- どこを目指すのか(目標設定を一緒にやってくれる)
- そこまでに何段階あるのか(道筋の提示)
やりたい技があるなら、いきなりは無理だからまずここをやりましょう、という提案があるはずです。目標が低すぎるならもっと上げられますよ、と言ってくれることもある。
これがないと感じたら、そのスクールは続けなくていいと思います。
合わないと感じたときの見分け方
最低ラインを超えていても、途中で「なんか分かりづらい」「合わないかも」と感じることはあります。
そのときに見てほしいのは、先生が自分の感覚と経験の範囲だけで話していないか、です。
いい指導は、うまくいかない原因を切り分けます。体の使い方なのか、道具なのか、技術の段階なのか。何が足りなくて、その現象が起きているのか。そして、アプローチの方向をいくつか持っている。
方向が1つしかないと、こうなります。「だからこうだって言ってるでしょう。これができないとダメですよ」。
こうなったら、もう先に進みません。そして「スクールに通わないと上手くならない」みたいな話にすり替わっていきます。
まとめ
- スクールで結果が出なかったとき、原因は生徒側ではないことが多い
- 教える側の引き出しが1種類しかないと、噛み合わなかった人はそのまま終わる
- 上手い人の感覚は、そのままでは渡せない。自分にどう反映するかが本体
- 選ぶならプライベート。グループは自分に向く時間が実質20〜30分になる
- 現在地・目標・道筋を一緒に立ててくれるかが最低ライン
- 原因を切り分けて、アプローチを複数持っている人を選ぶ
スクールが悪いと言いたいわけではありません。ちゃんとやっているところもあります。ただ、うまくいかなかったときに自分を責める必要はまったくない、ということは言っておきたかった。
最後にひとつ。僕自身もレッスンをやっているので、この記事は自分の商売に近い話でもあります。それを隠して書くのは違うと思うので、先に書いておきます。ここに書いた選び方は、僕のところに来てほしいという話ではなく、どこで受けるにしても見てほしい基準のつもりです。
自分の場合はどこから直せばいいのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
何が原因でその現象が起きているかは、体つきも、道具も、滑ってきた時間も違うので、人によって変わります。記事でも動画でも、そこから先は書けません。
自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。
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もっと踏み込んだ話
ここには書けない実際の事例や、細かいところはメンバーシップのほうで話しています。
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