スノーボードでライダーとか呼ばれて調子に乗ってるやつらが、変なことをする。
そのことについて「これってどうなんですか」という質問が、僕のところにも何件か来ています。
たぶん、聞きたいことはこういうことだと思うんです。あの人たちって何をしている人なんだろう、と。滑りがすごいのは分かる。でも、なぜ無料で板をもらえて、なぜルールを破ったことがかっこいいことになっているのか。そのあたりが、外から見ているとよく分からない。
僕は今、ノースポンサーでやっています。どこかからお願いされて何かをやっているわけでもないので、この話は完全に一般人目線の意見になります。
そのつもりで読んでもらえたらと思います。
そもそも、大人の脳みそで考えたら分かる話
まず、そのやっていること自体についてです。
これは正直、言われなくても分かることだと思っています。
神社でスノーボードをしたらダメですよね。公園でスノーボードをして、手すりにガリガリガリガリ、バコンと当てる。ダメですよね。どう考えてもダメです。
よく調べてもらったら分かると思うんですけど、器物損害だとか、条例だとか、そういったルールや決まりに反してきます。
スノーボード業界は、むちゃくちゃ狭い世界です。その狭い円の中でちょっとかっこいいとか、ちょっと知名度があるとか。それは分かるんですけど、だからといって日本のルールを破っていいということには、残念ながらなりません。
その中でどれだけスノーボードが上手くても、業界の中でどれだけ有名でも、決まりは決まりです。
本人より、それを持てはやしてる側の話
ライダー本人については、自分の中でこういう活動をしたいというのがあってやっていることなので、自分で責任を取るということでやってもらったらいいと思っています。そこは好きにしたらいい。
あえてルールを破っているわけですから、法に触れてくるグレーなところも理解した上でやっていらっしゃるんだと思います。そこはまだいいとしましょう。
問題はそこじゃないんです。
それを持てはやしているメーカーとか、周りの業界の人たち。個人的には、こっちのほうが問題だと思っています。ルールを破ったところが「かっこいい」ということになっている。その構造のほうが、やばいと思うんです。
そして何かというと、すぐに「スタイルが」「カルチャーが」と言い出す。
そのカルチャーって、何なんでしょうか。
スノーボードがこうやって有名になってきて、こういうかっこよさがあって。そういうものがあるのは分かります。分かるんですけど、それが法律より上に来る理由にはならないですよね。
メーカーとライダーの、本来の関係
ここから、なぜ僕がメーカー側の話をしているのかを説明します。
簡単に言うと、スノーボードメーカーというのは、お客さんに道具を買ってもらって、その売上でさらに宣伝をかけていく。ライダーをサポートして、そのライダーが有名になっていい滑りをして、それが広告になって、さらに物が売れる。
こういう循環を本来生んで、今までやってきたはずなんです。
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「何もしなくても売れた時代」のまま来てしまった
急にガツンときたスノーボードブーム。僕はその頃を全然知らないですけど、何にも努力しなくてもとりあえず物が売れた時代があったと聞いています。
問題は、その頃のやり方のまま、今もそれを続けてしまっていることです。
だから業界が縮小して、どんどん内輪のノリになって、なかなか外に広がっていかない。
そこにYouTubeがやっと普及して、SNSをやる人が増えて、インフルエンサーが増えて、YouTuberが増えた。そういう一般層に向けた情報発信が増えてきたから、今こうやって幅広い層が楽しめる時代になってきている。
昔は、とりあえずかっこよければよかった。大会で勝てばよかった。知名度があっていい滑りをしていれば、お金がもらえて道具も全部サポートがついて、スポンサーがバンバンついた。
でも今は、道具が売れていません。スノーボード人口もそもそも少ない。日本の若者の人口も減っている。
その頃のノリのままだと、廃れていくと思うんです。
トップの人たちは、話が別
誤解のないように書いておくと、圧倒的に有名な人たちのことを言っているわけではありません。
日本人の中でも、日本として有名な選手。プロ選手として名前が売れていて、一般人でも誰でも知っているようなクラスの人たち。ああいう人たちは、やっぱりすごいと思います。
そういう人たちは、自分の好きなことをやっている場合が多いです。大会を頑張るとか、バックカントリーの撮影をめちゃくちゃするとか。それで飯を食えているので、それはいいと思うんです。
問題は、その下の層です。
「中途半端」ってどういうことか
ここが、今回いちばん書きたかったところかもしれません。
一般人よりは上手いけど、トッププロよりは下手。この時点で、中途半端なんです。
あくまでも、一般人よりも上手いというだけ。トッププロよりは下手。だから世界の大会に出ていけない。だから日本にこもって「ライダー活動」と言ってやっている。
誰のためになっているのかもよく分からない活動。撮影しました、と滑りの動画をちょろっと上げて、フォロワーが5000人、1万人くらい。
それで道具をもらっている。
1本5万円、10万円する板をメーカーが渡しているわけです。だったら、その5万円、10万円分の売上を最低でも上げないと、板をもらっている意味がない。そこをもう少し考えたほうがいいと思うんです。
滑りで勝負するか、知名度を上げるか
じゃあどうすればいいのか。
道は2つだと思っています。滑りで突き抜けるか、知名度を上げるか。どっちかを頑張らないといけない。
滑りで勝負すると決めて、ライダーとしてやっていくというなら、それはもうトップの人たちと同じ土台で戦うということです。その覚悟があるなら、それでいい。
その覚悟がないなら、SNSを頑張ったり発信したりして、自分の知名度を上げて、メーカーの宣伝をする。物が売れるように頑張る。これが広告塔としての役割だと思うんです。
人のリール投稿を「ダサい」と言う前に
「ダサいリール投稿とかをしてるやつは」みたいなことを言っている人がいるらしいんです。
いやいや、と思うわけです。
お前のこと、誰も知らないよ、と。ダサい投稿をしているやつのことは知っていても、お前のことは知らない。そういう現実を受け止められていない人が多すぎる。
これ、けっこう残酷な話なんですけど、事実だと思うんです。
この記事の内容は、上の動画で話したことをまとめたものです。声のトーンや実例も含めて聞きたい方はこちらから。
「ブランドイメージ」って、どうやって測ってるんですか
メーカー側にも聞きたいことがあります。
ブランドイメージって、言うじゃないですか。あれ、どうやって効果を測定しているんでしょうか。
もちろん、圧倒的な知名度がある選手がいるブランドには、ハクがつきます。あの人が使っているブランドだ、あの人があのメーカーに乗っている。それは有名になるし、じゃああの板がいいのかな、となる。
でもそれは、滑りがすごくて、しかも知名度がトップクラスにあるからです。滑りも知名度も、両方ある。
中途半端なライダーは、知名度がない。滑りもトップほどではない。だから中途半端なんです。
そこに「ブランドイメージが」と言われても、形のないものですよね。
何人に聞いて、こういう結果が出ました。だからこのインフルエンサーを外したほうがいいんじゃないか。それなら分かります。でも「あいつがいるとブランドイメージが」「ブランドイメージが」と言われても、そもそも数字で見ないと判断できない。
極端な話、ダサいブランドと思われていても、会社としては売れればいいわけです。もちろん、売り方にこだわりたいというメーカーもあるので、そこはそれぞれのやり方だと思います。
ただ、ブランドイメージを守りたいという自己満足のために、売上がありません、板が売れていません、ライダーにもまともにサポートができません、お金が出せません。
僕は、そっちのほうがダサいと思います。
サポートは毎年見直すもの
じゃあどうするか、という話もしておきます。
毎年、そのライダーがどれくらいの活動をしたか。それによって、今年は板1本ね、頑張ったから3本ね、もっと頑張ってね、とか。契約金を出すから活動費を支援する、このまま頑張ってね、とか。
シーズンごとに、出した成果によって決める。ちゃんとやっているところは、たぶんやっていると思うんです。それをやっていないところが、しょうもないライダーを抱えている。
もちろん「応援枠」はあっていいと思います。今は知名度もないし滑りもまだ練習中だけど、これからを期待してサポートする。育成枠みたいなもの。それはあっていい。
でも、そこの線引きをちゃんとしておかないと、どうなるか。
みんな「ライダー、ライダー」と言うけれど、この人はめっちゃ有名でかっこよくて人気があるライダー、こっちは同じライダーだけど何をしているのかよく分からない。同じ呼び方なのに、幅が広すぎる。
そうすると、下のほうのライダーを見た人が「あれ、こいつら別に大したことなくない?」と思う。そして「あれくらいの滑りができれば板がもらえるんだ」と思って、ライダーを目指す。
そうやって、中途半端な人が再生産されていくんじゃないかと思うんです。
インフルエンサーに板が行くのは、当たり前の話
もう一つ、よく言われることについて。
インフルエンサーが板をもらっている。これに文句を言う人がいます。でも、インフルエンサーはスノーボードの技術を買われているわけじゃないんです。
道具を本当に売ってほしくて、サポートしたり依頼したりしている。
だからインフルエンサーが滑れるか滑れないかというのは、もちろん滑れて発信力もあれば最高なんですけど、そこが評価軸じゃない。数字を出せて、周知させられて、それに価値を認められてお金をもらって宣伝する。やることが分かりやすいですよね。
ここで、身も蓋もない話になります。
じゃあライダーいらなくない?となるわけです。
ライダーに発信力がないから、インフルエンサーに頼んでいる。メーカーもライダーに板を渡していても道具が売れないから、インフルエンサーに道具を渡す。ライダーができていればいいわけです、その発信まで。でもできないから、仕方なくインフルエンサーにお願いしている。
広告戦でのプロに頼んでいる、ということです。
それを理解しないまま「ダサい投稿がどうのこうの」「こいつは下手なのになんで道具をもらってるんだ」と言い出す。順序が逆なんじゃないかと思います。
本来ライダーがやるべきことは、上のほうの人たちがやっていることです。自分で発信する。ブランドのイメージを良くする。自分の知名度を上げて、道具が売れるように頑張る。
ここが、最低限ライダーに求められるベースだと思うんです。だってもう、滑りだけじゃ無理なんですから。
まとめ
- 神社や公園でスノーボードをするのは、器物損害や条例といったルールに反する。業界の中でどれだけ有名でも、決まりは決まり
- ライダー本人が自分の責任でやるのは本人の自由。それを持てはやすメーカーや業界の側のほうが問題だと思う
- メーカーは道具が売れて、その売上で宣伝をかけてライダーをサポートし、そのライダーが広告になってさらに売れる。この循環で回ってきた
- 何もしなくても物が売れた時代のノリのまま来てしまったから、業界が縮小して内輪化している
- 一般人より上手いけどトッププロより下手、という位置が中途半端。滑りで突き抜けるか、知名度を上げるか、どちらかを選ぶ必要がある
- 1本5万〜10万円する板をもらうなら、最低でもその分の売上を上げないと、もらっている意味がない
- ブランドイメージは形がないもの。数字で測れないなら、判断のしようがない
- ブランドイメージを守る自己満足のために板が売れず、ライダーにサポートも出せないほうが、よっぽどダサいと思う
- サポートはシーズンごとに成果で見直す。応援枠・育成枠はあっていいが、線引きは必要
- インフルエンサーに板が行くのは、ライダーが発信をできていないから。広告のプロに頼んでいるだけ
- 本来ライダーに求められるベースは、自分で発信してブランドイメージを良くし、知名度を上げて道具が売れるようにすること。滑りだけではもう無理
自分の場合はどうなのか
ここまで書いてきたことは、あくまで一般的な話です。
実際は、体つきも、道具も、滑ってきた時間も人によって違います。自分の場合はどうなのか、どこから手をつければいいのか。個別に見てほしいという方は、レッスンをやっています。下のどちらからでも受け付けています。
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